2015年に放送された『オレンジ・マーマレード』は、原作のWEB漫画がヒットしドラマになった作品で、注目若手俳優ヨ・ジング、日本でも人気のCNBLUEのイ・ジョンヒョンとAOAのソリョンが出演しています。
単なるファンタジーラブストーリーではなく、実は奥深いストーリーが隠されています。そんな“種族“と”時代“を超えた「オレンジ・マーマレード」のあらすじとネタバレ含む感想と見どころをご紹介します。
オレンジ・マーマレードのあらすじ
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朝鮮王朝時代。
人の血を飲み人間を支配しようとたくらんでいる“吸血鬼”と、獣の血を飲み人間に紛れて暮らす“吸血族”がいた。
兵曹判書の息子のジェミン(ヨ・ジング)は毒蛇にかまれた際、吸血族の長の娘マリ(ソリョン)に助けられて以来、マリのことが気になって仕方がない。
また、ジェミンの親友である文官の息子のシフ(イ・ジョンヒョン)も、笛で戦うマリの姿に心を奪われ、種族と身分を超えた恋物語が始まる。
時は流れ、現代。
吸血族(ヴァンパイア)は一定の法の元、人間と共存できる世の中になっていた。
しかし高校生のマリ(ソリョン)はヴァンパイアであることで辛い思いをしてきたため、ヴァンパイアということを隠し、目立たないように生活していた。
そんな中、甘い血の香りがするジェミン(ヨ・ジング)と出会う。
同級生だと知りお互い惹かれ合うのだが…
オレンジ・マーマレードのネタバレ含む感想
タイトルに惑わされてはいけません。
ただのファンタジーラブストーリーではないんです。
違いを認め合って共に生きるというテーマがあるのですが、ストーリーよりもこのテーマに惹かれました。
朝鮮時代のストーリーから始まるのですが、原作の漫画では描かれていないようです。
この作品の肝の部分「差別と差異」を詳しく描きたくて追加されたようですが、追加されたことによって物語に深みが出ましたし、この朝鮮時代のストーリーが一番好きです!
マリは吸血族なのですが、人間界では白丁(ペクチョン)という身分で、朝鮮時代の階級では最も下位の身分で、屠畜の仕事をしています。
すごい設定だと思いました。
人間からは身分による差別を受けているけど、この仕事があるから人間はお肉をいただくことが出来、吸血族は血を飲むことが出来るわけです。
ジェミンは、酷い扱いを受けているマリに対して「生まれが恨めしくないのか」と聞くんですけど、その時のマリの答えがかっこいいんです。
「貴い者も自らを卑しいと思えば卑しく、卑しい者も自らを貴いと思えば貴い」
全ては気の持ちようだと言うのです。
自分自身誇れるようなことはないですが、ブレないようにしっかりしようと思いました!
ちなみにですが、日本と韓国とでは放送された順序が違うそうですよ。
日本では過去(1-5)~現代(6-12)という順番ですが、韓国では現代(6-9)~過去(1-5)~現代(10-12)という順番だったそうです。
どういう意味があってオリジナル通りに放送されていないのかまではわかりませんが、韓国で放送された順序で見たい方は、6話から見ることをお勧めします!
オレンジ・マーマレードのネタバレ含む見どころ①オレンジ・マーマレードの意味
現代のストーリーで、ジェミン、マリ、シフを含む同級生6人で組んだバンド名が「オレンジ・マーマレード」というのですが、とても深い意味があるんです。
なぜ、このバンド名にしたのか?という問いに、マリは
「普通は捨てられる運命の皮でさえマーマレードには必要なものです。違いを認めて受け入れる、違うという理由で拒まず、疎外されてきた人たちも受け入れる。そんなバンドにしたくて」と答えました。
ヴァンパイアというだけで偏見を持たれ、辛い思いをしてきたマリが言うから説得力がありました。
これは世の中すべてのことに対して言えることではないでしょうか?
いじめる側といじめられる側、富裕と貧困、肌の色、生まれた国、年齢や障害の有無…
例えをあげればキリがありませんが、いろんな人たちがいる世の中で、どう生きていくのか?
この違いを認めて思い合えば、笑顔で過ごせる時代が来るかもしれませんね。
オレンジ・マーマレードのネタバレ含む見どころ②注目の俳優陣
ヨ・ジングくんといえば子役から活躍している俳優さんですが、今はすっかり大人な男性に成長しましたよね!
まだ少しあどけなさの残っている等身大の高校生の姿に胸キュン!
現代版での首筋キス(ヨ・ジングくんはされる側)は必見ですよ!!
彼の演技力がなければこの作品は埋もれていたかもしれません…
そしてイ・ジョンヒョン。
色白で妖艶さもあるからなのか、ヴァンパイア役がすごくぴったりでした。
今は脱退されたようですがCNBLUEというバンドで活動されていたので、演奏シーンは一番サマになっていてカッコよかったし、学校をさぼって路上で歌ってるシーンも最高でした!
でも個人的に一番好きだったのは、マリのお父さん役のアン・ギルガンさんです。
「善徳女王」や「チュノ」といった時代劇のイメージが強かったので、朝鮮時代のお父さんの存在感は激シブでした!
それにくらべて、現代のお父さんがチャーミングすぎて!人間界に馴染みすぎ(笑)
いいエッセンスだったと思います、コミカルな演技に何度もクスッとしました。
オレンジ・マーマレードのネタバレ含む見どころ③2つの時代
朝鮮時代と現代でその人のルーツがみえたり、全く違ったりするのが面白いなと思いました。
最初、朝鮮時代での出来事は現代の人たちの前世だと思ったんですけど、それが垣間見えたのはジェミン (ヨ・ジング) だけでしたね。
シフは朝鮮時代で吸血族になったので、生まれてから吸血族の家系を辿ってきて、それはマリも変わらず。
朝鮮時代でジェミンの許嫁だったアラ(キル・ウネ)は、現代では同級生でジェミンに思いを寄せていて、どちらにしてもマリとの仲を壊そうと引っ掻き回す役です(笑)
一番興味深かったのは、朝鮮時代では吸血鬼でウォンサング(キム・ソンギョン)の部下だったユンジェ(ソン・ジョンホ)です。
ジェミンの乳母ヤンピョン(イ・イルファ)を助けていて、なんだかいい雰囲気だったので、現代でふたりが結婚したことに感激でした。
なんて素敵な縁なんだろうって、思っちゃいました^^
オレンジ・マーマレードのあらすじとネタバレ含む感想と見どころは?まとめ
先日、東京パラリンピックが閉会式を迎えましたね。
「すべての違いが輝く街」それを聞いて、この作品のことを思い出しました。
このドラマは2015年の作品なので、2021年になった今でもすべての人たちが“当たり前の存在”ではないのかと思うと、本当の意味で壁がなくなるのはまだ時間がかかりそうです。
ヴァンパイアは世の中にいないとは言い切れませんが、差別というものは確実に存在しています。
人種や立場など、いろんな違いを認め合い、どのように生きていくのか、改めて今の時代に必要なメッセージのある作品だと思います。