「主君の太陽」は、脚本を「美男ですね」「ビッグ」などを手掛けた人気脚本家、ホン姉妹が担当し、最高視聴率21.8%を記録しました。
ソ・ジソプが今まで見せたことのないコミカルな演技で話題になり、2013年SBS演技大賞では最優秀演技賞と10大スター賞を受賞しました。
ラブコメの女王にふさわしい、コン・ヒョジンのキュートな演技も魅力ですが、数々のアドリブも話題になりました。
また、「応答せよ!1997」で人気が出たソ・イングクの次回作ということでも注目されていました。
今回はそんな「主君の太陽」のあらすじとネタバレ含む感想と見どころをご紹介します。
主君の太陽のあらすじ
ある事故を境に、幽霊が見える体質になってしまったテ・ゴンシル(コン・ヒョジン)。
幽霊と関わることで、社会とは距離を置きひっそりと暮らしていた。
だが幽霊のおばあさんの頼みごとを聞いた帰り道、大手ショッピングモール「キングダム」の社長チュ・ジュンウォン(ソ・ジソプ)と出会い、車に同乗させてもらう。
雨の中佇む幽霊を見たゴンシルは、びっくりしてジュンウォンに触れるのだが、その瞬間幽霊がいなくなることに気が付く。
その日からジュンウォンに付きまとい始めたゴンシルだが、ジュンウォンは過去の事件を解明するためにゴンシルを利用することにした。
お互い“100億ウォンのレーダー”と“幽霊シェルター”ということで利害が一致。
見えないものは信じないジュンウォンが、ゴンシルが数々の難題を解き明かしていく姿を見て、不可解な行動を信じるようになっていく。
ジュンウォンが抱える過去の事件とは何か?
またゴンシルはどうして幽霊が見えてしまうのか?
ふたりの不思議な関係性にも注目です。
主君の太陽のネタバレ含む感想
タイトルからは全く想像できない内容で、幽霊が出てくるなんて思ってもいませんでした。
しかも、結構なホラー的な幽霊で、白塗り幽霊は思わず目をそらしてしまうほど怖かったです。
ゴンシルは幽霊が見えるので、そんなにも怖い幽霊が寄ってきて、ずっと話しかけられ続けたら眠れないし、怖いですよね。
触れると幽霊を見なくて済むジュンウォンの存在が、いかに大きいのかがわかります。
ジュンウォンがゴンシルに惹かれているのを応援する副社長で叔父のト・ソクチョル(イ・ジョンウォン)と、阻止しようとする叔母チュ・ソンラン(キム・ミギョン)。
この夫婦の掛け合いも楽しく安心して見ることが出来ますよ。
特にソンランが、ゴンシルのことをパンシルって間違えて呼んでいるのを聞いて、夫のソクチョルが「だから!パンシルじゃなくてゴンシルだって!!」と訂正するんですけど、その度に冷ややかな目で見られ「サランへ~」と愛嬌を入れるシーンには笑わせてもらいました。
だけどこの作品の魅力は、怖さや笑いだけじゃありません。
死が関わっているストーリーなので心が切なくなるシーンも多く、その度に涙が止まりませんでした。
詳しくは「見どころ」に書いています。
このドラマはソ・ジソプが初めてラブコメに挑んだ作品だそうですが、とてもそうとは思えないコミカルな姿を見せてくれます。そして何よりかっこいい…
ソ・ジソブのラブコメと言えば、「私の恋したテリウス」もおもしろいのですが・・・
183㎝という高身長が、スタイリッシュなスーツ姿をさらに魅力的に見せています。
イブサンローランのグリーンのチェックのコートも、ファッション誌から飛び出してきたのかと思うくらい似合っていました!
ちなみにこの「主君の太陽」というタイトルですが、作品を見ているとゴンシルは「テヤンですから」というシーンが何度もあるんです。キム室長もゴンシルのことを「テヤン」と呼んでいます。
この“テヤン”。韓国語で太陽という意味には違いないのですが、もうひとつ「ヤン」というのは女の子を呼ぶときにつける「~ちゃん」みたいなニュアンスがあります。
そして“主君”。こちらもそのままの意味とは別に、ジュンウォンの苗字チュ(韓国語だと同じ発音)にこの「君」。これも「ヤン」同様、男の子を呼ぶときの「~くん」というニュアンスがあります。
ですので「チュ(ジュンウォン)くんのテ(ゴンシル)ちゃん」という意味合いを含んでいるんです。面白いですよね~。
主君の太陽のネタバレ含む見どころ①幽霊たち
はじめこそびっくりして幽霊たちを見るのを避けていましたが、死者にも想う人がいて、またその逆もあって…と死者の生前の想いなどの物語も描かれていたので、とても感動的でした。
ゴンシルが真摯になって幽霊たちと向き合ってくれるので、幽霊たちもゴンシルに助けられ、彼らの無念が解決されるたびに泣いていました。
私が一番泣いたのは、軍用犬と脱走兵のお話でした。
軍犬を担当していた軍人が、よく上官に怒られて辛い思いをしていたのですが、その度に担当する犬(ピルスンといいます)が慰めてくれるような信頼関係にあったんです。
ところが、そのピルスンが軍用犬としての機能を失ったために安楽死させられることになり、それを担当の軍人が執行したんです。
規則とはいえ自分に憤りを感じて悔やみ、自害しようと脱走するのですが、ピルスンの霊がその軍人を助けてほしい、とゴンシルにお願いするというお話でした。
また、ゴールしたいランナーなど、おちゃめなことを頼んでくる幽霊もいます(笑)
ゴミ箱の幽霊がまさかのキューピッドになったり(あの時のネックレスは販売されているので購入できますよ!)、見進めていくうちに幽霊たちは最初ほど怖くなくなり、愛すべき存在になってきますよ。
主君の太陽のネタバレ含む見どころ②チュ・ジュンウォンとテ・ゴンシル
自分勝手で傲慢な気難しいジュンウォンが、ゴンシルによってどんどん変わっていく様子が好きでした。
ゴンシルに「消えろ!」って言うわりに「3回言っても聞かない」ということを把握してたり(しかも嬉しそう)、心身ともに困憊しているゴンシルを気遣って「“シェルター”になってやる」って言って抱き寄せたり…
ゴンシルに“社長に言い寄って振られた女”という噂が立っていた時も、同窓会で「お前のために結婚は破談にした、責任を取れ」って言ったり、きゃ~っ!!ですよ、ゴンシルのこと好きすぎるジュンウォン。
だけど「お前は俺のことを好きになるな」だなんて、罪。
ゴンシルは何度もジュンウォンにすがったりつきまとったり触れたりするのですが、その時の表情やしぐさが超可愛いんです。困ったような顔で話すゴンシルもかわいい。
さすがコン・ヒョジン!!
また、ジュンウォンがゴンシルに「愛してる」と伝えた状況にも号泣でした。
面白くてキュンとして、さらに泣けるところもあって、この二人のやり取りが大好きです。
主君の太陽のネタバレ含む見どころ③カン・ウとテ・イリョン
ゴンシルを監視してて好きなフリして近づいたけど、本気で好きなってしまうカン・ウ(ソ・イングク)。警備員で強いのに、幽霊が怖いというまさかの一面がかわいかったです。
下宿先のゴミ片づけたり、ぬいぐるみプレゼントしたり、健気に一途にゴンシルに尽くしていましたけど、報われませんでした。
一方、イリョン(キム・ユリ)は“大きな太陽”ゴンシルを陥れようとしたり、ひどい嫌がらせをするキャラクターなのかと思っていましたが違いました。
そもそもゴンシルはイリョンのことを何も気にしていないというのが可笑しかったです。ゴンシルにしたら、それよりも怖いものがありますもんね(笑)
ただ、幽霊が憑りついた時のイリョンは怖かったです。
一生懸命カン・ウを振り向かせようとしているイリョンの姿はいじらしくて、応援したくなりました。
主君の太陽のあらすじとネタバレ含む感想・見どころは?まとめ
コメディですがやりすぎていなくて、ソ・ジソプとコン・ヒョジンの演技力でとても自然な作品になっていると思います。
児童虐待やジュンウォンの過去の謎、またゴンシルの事故の真相、そういったサスペンスやミステリーもあるのも魅力です。
死者のメッセージや想いというのがすごく胸に沁みる感動のストーリーなので、幽霊に怯えずぜひ観て欲しい作品です。