「雲が描いた月明かり」のパク・ボゴムと「太陽の末裔」のソン・ヘギョの共演で話題になった『ボーイフレンド』は2020年2月にDVDの発売が決まると東京ではドラマの広告を乗せたトラックが街中を走り回り、Twitterではその目撃情報で賑わったそうです。
キューバのロケ地から始まり、韓国国内でも数えきれないほど有名で素敵な場所が登場し、見応えたっぷりでとても奥が深いものとなっています。
斬新なストーリーで極上の美男美女カップルの純愛が描かれてあることなどから、「今世紀最大のラブストーリー」とも言われています。
今回はそんな「ボーイフレンド」のあらすじとネタバレ含む感想・見どころを紹介したいと思います。
ボーイフレンドのあらすじ
政治家の父ジョンヒョン(ムン・ソングン)と母ミオク(ナム・ギエ)の間の一人娘のスヒョン(ソン・ヘギョ)はその立場上、何をするにも世間の好奇の目にさらされて窮屈な生活を送っていたため、いつも無表情で笑わない事から「氷姫」と呼ばれていた。
そんなスヒョンは政略結婚によりテギョングループ代表のウソク(チャン・スンジョ)に嫁ぐがウソクの浮気が原因で離婚する。
その時、慰謝料として貰った傾きかけたホテルの再建に見事成功し、4年後には業界ナンバーワンのトンファホテルの代表となる。
友人兼秘書のミジン(クァク・ソニョン)を従えて、信頼するナム室長(コン・チャンソク)が運転する車でいつも移動し、仕事はとても順調だったが、離婚をしてからも元夫の家族のイベントに強制的に参加させられたり、自分の母親からは「(政治に)役に立つ娘になれ」などと圧力をかけられる事により窮屈な生活は変わらなかった。
ある日、スヒョンは秘書のミジンと新しく建設されるホテルの事でキューバを訪れる。
地元の関係者に挨拶などを終えた後、マレコンビーチの夕焼けがどうしても見たくなり一人で出かける。
その途中、ハイヒールで慣れない坂道を歩いたせいで靴擦れが出来てしまい、塀にもたれ掛かって休憩しようとした時、置き引きに遭いバッグを盗まれて無一文になってしまう。
落胆はしたものの、それでも何とか夕日が見える場所まで昇って腰掛けるのだが、ホテルを出る前に飲んだ睡眠薬のせいで急に眠気がさし、何メートルも下の通りに落下しそうになった所へ同じく夕日を見に来ていたカメラ好きの旅行者のジニョクが間一髪でスヒョンの身体を支えて助ける。
偶然の出会いにより意気投合した二人は、夜景を見ながら一緒にビールを飲んだり、街のレストランで食事をしたりダンスを踊ったり夢のような楽しい時間を過ごす。
翌朝、ジニョクは前の日に訪れたレストランへ行きスヒョンが来るを待つのだが、「予定が分からない」と言っていた通り、時間が経過しても結局スヒョンは現れなかった。
もしかしたらとの思いから店の掲示板にスヒョンに宛てたメッセージを残してその場を後にした。
そのメモには彼女にどうしても聞いてみたい事が書かれていた。
ジニョクは帰国の途中、就活先のホテルより採用の知らせの電話を受けるのだが、ある事を思い出し、スヒョンから貰っていた名刺を慌てて確認すると偶然にも彼女は受かった先のホテルの代表だった事に気づいて驚いてしまう。
一方、スヒョンはキューバでの楽しかった思い出を胸に慌ただしい現実の生活に戻る。
ホテルの入社式が行われた日、壇上で代表として挨拶をしている時、会場にいる一人の男性に目が止まる。
こうして偶然にもスヒョンとジニョクは上司と新入社員として再会する!
キューバで運命的に出会った二人にはこの先一体どのような未来が待ち受けているのか…?
ボーイフレンドのネタバレ含む感想
韓国の国民的大スターのソン・ヘギョさんとパク・ボゴム君の二人が演じるスヒョンとジニョクの美男美女カップルが色んな困難を乗り越えてお互いの愛を育む姿にとても感動しました。
スヒョンは政治家の家に生まれたばかりに自由がなくて、女友達が出来ても母親がそれを嫌い結局はその友達と別れなければならなくなってしまい、いつも独りぼっち。
いつの間にか我慢する事を覚え、孤独に耐える事が当たり前になってしまった可哀想な境遇でした。
裕福な暮らしをしているからと言っても全てが幸せだとは限りませんね!
そんな彼女が純粋で真っすぐな心を持つジニョクに出会い、最初は距離を置いてはいたものの徐々に心を開いて、あれほど無表情だったのに自然に笑顔を見せるようになった時にはこちらまで何だか嬉しくなりました。
しかし、そんな幸せも束の間でした。
二人で会っている所を写真を撮られたり、それがネットで流れると今だに縁の切れていない元姑でテギョングループの会長のファジン(チャ・ファヨン)からイジメを受け、ジニョクは地方のホテルに異動させられてしまったのです。
このドラマの中で一番の悪人は、傲慢で性格の悪いテギョングループの会長と、会長の機嫌取りをするスヒョンの母親かもしれません。
スヒョンとウソクの結婚に関しても、スヒョンの母親とテギョングループの会長(元姑)との間で「娘を嫁がせるから資金援助をして欲しい」と政治絡みの取引が行われていたのです。
言い換えれば、スヒョンの母は自分の娘を売った形で本当に呆れてしまいます。
また、元姑は、離婚して出ていくスヒョンに「家族の集まりには必ず出席する事」「不祥事を起こさない事」などが書かれた誓約書に無理やりサインをさせたのです。
その理由は、一度籍に入ったからには何かあったら家名に傷がつくから、と言う、全くもって理不尽で理解不能な理由です
普通なら離婚をするとその家とは一切関係が無くなるのに、これにより縁が切れません。
ウソクの母親がスヒョンが嫌いで嫁いびりをしていた理由も後に分かるのですが、一つはスヒョンの目が嫌いだった事、もう一つは良家に嫁げたのに少しも嬉しそうではない態度、これが姑のプライドを傷つけたようですが、それを知るとやはり姑の性格は最低だと思います。
そして、元夫のウソクも何をしたいのか分かりません。
スヒョンは元夫のウソクの浮気が原因で離婚をしたのですが、実を言えばその浮気相手はウソクにお金で雇われた女性で何の関係も無かったのです(後から判明します)。
ウソクは自分の母親が嫁いびりをするのが耐えられなくてスヒョンを解放してあげたかったみたいです。
ウソクは、自分の狙い通り離婚はしたものの、やっぱりスヒョンの事が忘れられなくていつまでも執着して追いかけ、挙句の果てにはジニョクとの仲を邪魔をするのにはイラッとさせられました。
小さい頃からずっと圧力に耐えて来たスヒョンの味方は父親のジョンヒョンでした。
自分のせいで小さい頃から娘に迷惑をかけてしまった事に心を痛めていた彼は、最終的にはテギョングループからスヒョンを解放するためにわが身を捨て、一代決心をします。
そんな父親の姿には本当に心を打たれました。
そして、唯一の親友である秘書のミジンも最後まで裏切らずに支えてくれますが、あともう一人、父親と元記者仲間だったナム室長も運転手をしながらずっとスヒョンの事を応援してくれます。
ナム室長は気は優しくて力が強そうで外見が少しクマのプーさん(笑)みたいで、とてもいい味を出していました。
その後もスヒョンの試練は続き、ある時は、ジニョクの母親から「息子と別れて欲しい」と言われ、相手の家族まで世間の目にさらしてしまっている事に罪悪感を感じて思い悩み、結局は別れを選んで再び氷の世界に心を閉ざしてしまったのでしたが、前向きなジニョクの愛の力は強く大きく、やがてスヒョンも本当の自分の幸せを考えるようになります。
ジニョクに貰った写真の中には今までに見た事がないような、心から幸せに笑う自分が写っていた。
自分とやっと向き合え、どんな事もジニョクと一緒に乗り越えて行こうと決心したスヒョン。これまで孤独に耐えて頑張ってやっと幸せを掴めたんだな!と心から祝福を送りたい気持ちになりました。
物語の半ばからは特に面白くなり、スヒョンとジニョクに感情移入してどっぷりと浸かってしまい、一瞬でも記憶が飛ぼうものなら巻き戻して一字一句絶対に聞き逃したくなかった。
それほど二人の恋に共感しました。
ジニョクは本当にスヒョンの事が大好きで仕方ない、と思わせるようなシーンでは感情を見事に表現しているボゴム君はさすがでした。
そんなジニョクの影響で、いつも冷静だったスヒョンがみるみる表情も柔らかくなり最高な笑顔で光り輝いて行く姿を見ると、こちらまで幸せのおすそ分けを貰った気分です。
ジニョクの実家は果実店を営んでいるのですが、父母はとても誠実で暖かくて、弟も明るくて兄思い。そんな家庭で育ったジニョクがカメラと詩が大好きで真っすぐな青年に育ったのが分かる気がします。
とにかく素敵なロケ地がたくさん登場してドラマと言うよりも映画を見ているような気分にも浸れました。
挿入曲も二人にピッタリ合っていて流れるたびに嬉しくなり、すごく耳心地が良かったです。
ボーイフレンドのネタバレ含む見どころ①マレコンビーチの夕焼け
メルヘンチックなロケ地がたくさん登場しているのですが、やはりこのドラマの一番の魅力は1話と10話に登場するマレコンビーチの夕焼けが見えるモロ要塞だと思います。
見知らぬ男女が出会う場所としてカリブ海域最大の都市、キューバのハバナが選ばれたとの事で、キューバでの撮影に1か月も滞在し、このシーンを撮るだけでも3~4日間かかったそうです。
夕日が綺麗に見える時間はほんの一瞬ですものね!
高い場所に座って夕日を待つ二人ですが、落ちたら死ぬか大けがをするのは確実な高さで、そのシーンが流れるたび、太ももあたりがゾワゾワして本当に怖かったです。
しかし現地の大勢の人達は、この場所で夕日を待ちながら普通にお酒を楽しんだりしているようで、それを知った時はビックリしました!
ボーイフレンドのネタバレ含む見どころ②現地の人達と一緒にサルサ
大らかで好奇心旺盛で自由気ままなジニョクが、塀に腰掛けて読書をしているのですが、そこで、海と音楽をこよなく愛するキューバの人達のサルサの輪が出来ます。
すると小さいな女の子がジニョクの元に来て一緒に踊ろうと誘うのですが、戸惑いながらもその子と手をつないで踊ったりする演技がすごく自然で可愛いいです。
最初の頃のジニョクは長髪で、一瞬、女子?って思ってしまったほど。
スーツ姿にバシッと決めた短髪も良いけれど長い髪もすごく似合っていましたよ!
ボーイフレンドのネタバレ含む見どころ③川沿いの美術館とメタセコイヤの並木道
全ての美術館を知り尽くしているほどにスヒョンは絵をこよなく愛していたのですが、同じく絵画が大好きなジニョクが自分の住む町にある美術館にスヒョンを案内します。
「ジョギングが出来る恰好で来てね!」とスヒョンに前もって伝えておいたのですが、意味が分からないスヒョンはいつものキチッとした服装で約束の川沿いの道に現れます。
「一体美術館はどこにあるの?」と不思議そうにするスヒョンに、「ここだよ!」と教えてくれたのは路上美術館でした!
それぞれの橋げたに作品がいくつも展示されていて、散歩をしながら有名な絵画を鑑賞できるのです。
弘南橋の近くにある弘斉川路上美術館がロケ地になっています。
そして、ある日の二人のデートはメタセコイヤが続く並木道でした。
ここでジニョクがスヒョンの手を握り自分のポケットの中に入れるのですが、その中に入っていたのはフィルムケース、さらに蓋を開けるとカップルリングが出てきました。
そのリングをはめて、「僕はあなたが眠りにつくその日まで、あなたのそばを守ります」と告げるのです。
ロケ地になったのは一山湖水公園のメタセコイアの並木道です。
ボーイフレンドのあらすじとネタバレ含む感想・見どころは?まとめ
2000年の始め頃、「秋の童話」や「オールイン」などで有名になったソン・ヘギョさんは、当時は可愛い上に美少女と言う言葉がピッタリでしたが30代後半になられた今でもその美貌は健在で、大きく輝いた目とふくよかな唇が本当に魅力的だと思います。
ソン・ヘギョさんよりかなり年下のパク・ボゴム君は時代劇の姿も現代ドラマの姿もかなりのイケメン、それに加えて女性のハートを思わず鷲掴みにしてしまうような笑顔はある意味、罪作り。
このドラマには感情にまかせて喚き散らすようなキャラは一人も登場しません。
最初から最後まで静かにストーリーが進んでいくので力を抜いて見る事が出来るのも魅力です。
最終話では雪が舞いとても幻想的です。
16話の中にぎっしりと魅力が詰まっているので、見終わった後もまたもう一度最初から見てしまいたくなるほどに素敵で心温まるラブストーリーになっています。
そんな意味で本当に見て欲しい作品です。