サメ~愛の黙示録~のあらすじとネタバレ含む感想・見どころは?

韓国ドラマ

韓国で2013年に放送された全20話のドラマ『サメ~愛の黙示録~』はキム・ジウ作家とパク・チャンホン監督が「復活」「魔王」に続いて送る復讐シリーズの最終章と呼ばれるものです。

キム・ナムギル×ソン・イェジン主演で完成度の高いストーリーと映像を提供し、登場人物たちの間での繊細な心理的駆け引きと、パズルを解くように明かされていく事件の真相は多くの視聴者に緊迫感と感動を最後まで与え続けます。

主役以外にも数々の名優たちが出演し最高に素晴らしい演技力を堪能できる事も話題となっています。

今回は、回を追うごとに新しいショックとメッセージを与えてくれる「サメ」のあらすじとネタバレ含む感想・見どころを紹介したいと思います。

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サメ~愛の黙示録~のあらすじ

 

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カヤホテルグループ令嬢のヘウ(ソン・イェジン)(少女時代はキョン・スジン)はグループの会長の父ウィソン(キム・ギュチョル)と母ソニョン(オ・ヒョンギョン)の不仲にいつも心を痛めていたが、唯一、グループ会長で自分の事を一番理解してくれどんな時でも味方になってくれる優しい祖父サングク(イ・ジョンギル)だけを支えにしていた。

ある日、ヘウの通う高校にイス(キム・ナムギル)(少年時代はヨン・ジュンソク)が転校生としてやってくる。

イスの父ヨンマン(チョン・インギ)はカヤホテル会長の運転手をしており、その関係でヨンマンとイスとその妹のイヒョン(ナム・ボラ)(少女時代はアン・ソヒョン)はヘウの豪邸の離れで暮らす事になった。

ヘウの父ウィソンは普段から酒と女癖が悪く、ある日アナウンサーをしているファヨン(チョン・エヨン)との浮気が記者にバレて世間を騒がせてしまい、その事が原因でついに母ソニョンは腹を立てて家を出て行ってしまう。

取り残されたヘウは深く傷つき身の置き場のない荒れる日々を送るのだが、イスは彼女の事が気にかかりいつも傍でそっと支えていくようになる。

そんなイスの優しさにヘウンも惹かれ、やがて二人は想い合うようになっていった。

ところがある日、ヘウの父ウィソンが飲酒運転でひき逃げ事故を起こしてしまう。

息子の罪を隠すため会長のサングクはイスの父ヨンマンを呼び出し、身代わりとなって自首をするよう駆け引きを持ち出す。

この事件が起きてしまった事が原因となりイスとヘウの幸せな時間は壊される…。

さらにイスの父は警察に向かう途中で何者かに殺され、その真相を探ってついに核心に近づいたイスも何者かの仕業で大事故に遭い、現場に大量の血痕だけが残されたまま姿が消され死亡したと処理される。

それから12年後、ヘウは高校の頃から彼女を支えてきたジュニョン(ハ・ソクジン)(少年時代はノ・ヨンハク)と結婚式を挙げたのだが、その式場に現れたある一人の男性の事が何故か気にかかる。

その男はかつて事故にあい跡形もなく消されてしまったイスだったのだ!

イスは日本企業の会長のヨシムラ・ジュンイチロウ(イ・ジェグ)と言う名前の人物に救われて姿を変え、ヨシムラ・ジュンイチという名前の別人に生まれ変わり、父の無念を晴らすために現れてある計画を進めていた…。

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サメ~愛の黙示録~のネタバレ含む感想

最初は父親がひき逃げ犯の身代わりをさせられた上に殺害されてしまった事への復讐という韓ドラあるあるの筋書だろうと軽く考えていたのですが、その根底には韓国の闇の歴史などが描かれ、そこに幾重にも謎が重なり、とても想像もつかないような展開だったので、さすが「復讐三部作」と言われるだけある見応え十分過ぎるほど奥深いサスペンスドラマでした。

ヒロインの美しいウェディングドレス姿シーンから始まり、そこへいきなり眼光鋭い男性が現れるのですが、そのシーンだけでもかなりインパクトが強かったです。

イスを演じるキム・ナムギルさんは前半よりも後半に近づくほどイケメンオーラも全開でこのドラマの主役にしっくりと馴染んでいたと思います。

殺人鬼のような鋭い目をしたかと思えば、愛する人へ向ける全く別の優しいまなざし…。

このまま復讐を成し遂げるか?それとも自分の事を心から心配してくれる人達のためにも過去は忘れてこれからは自身のために穏やかに生きる道を選ぶか?

その葛藤を見事に演じ切っているのが端々から強く伝わってきました。

ヘウを演じたベテラン女優のソン・イェジンさんは、いくつになってもチャーミングで、どこか儚げで寂しそうな表情がこのドラマのヒロインと自然に重なりました。

ずっと忘れずにいた初恋相手のイスが突然現れて復讐のために犯罪を犯そうとしている事を知ってしまうと、居ても立ってもいられず何とかして彼を止めたい!

でも自分には夫がいるから堂々とは会えない…。

あろうことか、イスの復讐相手が自分の家族であると知った時のヘウの苦しみもよく伝わってきました。

イスの立場から考えても愛する人の家族に復讐をしなければならないという苦しみを乗り越え敢えて実行するというのは相当な決断だったのではないかと思います。

初恋相手と最悪な因縁で結ばれてしまうというこの復讐劇の恐ろしさでした。

かなり重苦しく感じるストーリーですが、他のドラマでもよく見かける個性的で味のある俳優さん達ばかりが出演されていたので、懐かしさも感じながら見入っていました。

とは言っても中盤にさしかかるまでは、ひたすら静かに淡々とストーリーが流れていくので、正直、何度も眠くなってしまいました。

ところが一変して、11話を境に急に動きが慌ただしくなったので眠気が襲ってくるどころかとにかく面白くて、先が気になってしかたがありませんでした。

思えば前半の少々退屈に感じた時間が後半でパズルを合わせるかのように繋がっていくのです。

登場人物が多かったので新事実が判明するたびにその人物たちとの関係を頭の中で整理するのが大変でしたが面白いのです。

そんな意味ではまたもう一度最初から見ると違った意味で深く入り込めるのだろうなと思います。

「お願いだからやめて!」と何度も必死で止めるヘウの姿にイスは気持ちが揺れ動きながらも、結局は復讐を完結させるんだと前進していく後ろ姿は可哀想になります。

そんなイスはさらに残酷な事に、尊敬していた父親の信じられない過去の姿を悪意ある人物から知る事になり、ショックのあまり自分が信じていた事が分からなくなるのです。

悩んだ末、それでもやり遂げるしかないんだと自分に言い聞かせて突っ走っていくシーンは今でも忘れられません。

不幸な人生の中で最愛の妹との再会を果たす事が出来た事は兄弟にとって最高の幸せだったと思いますが、今度は兄の復讐の巻き添えになってしまった妹が拉致されて身の危険にさらされてしまうのです。

何とか救い出されはしたものの、その後、次なる過酷な運命が兄と妹を待っていた事にも驚かされました。

一時も目が離せないドラマでしたが、特に最後の約15分間の急展開では感情が抑えられず思わず涙がこみ上げてきました。

そのぶん、見終わった後に良くも悪くも色んなショックを受けて忘れられない一作品となりました。

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サメ~愛の黙示録~のネタバレ含む見どころ①スヒョンとの強い信頼関係

検察官であるヘウを補佐する捜査官、そして、イスの友人でもあるスヒョンを演じたイ・スヒョクさんはひと目見ただけでとても印象に残る美男子です。

「夜を歩く士」と言うドラマでは吸血鬼役がとてもよく似合っていたモデル出身の俳優さんです。

実はこのスヒョンがイスの父親の過去に大きく関わっていたと言う事実が発覚してしまいます。

その事が原因であれほどお互いに信頼し合っていたイスとの関係がぎくしゃくとし、そのまま最悪な結果になるのではないかと最後までハラハラさせられます。

どこか怪しげな雰囲気を持つスヒョンがドラマの中で重要なポジションにいる事にも注目しながら最後まで見ていくと面白いと思います。

このスヒョンはイスの妹のイヒョンに好意を持っていました。

イヒョンは養女に出された先でたっぷりの愛情を受けて育ったことから無邪気で優しく素直に育っていきます。

そんなイヒョンを演じたナム・ボラさんは「太陽を抱く月」の中では王の妹役をされているのですが、憎まれ役も愛され役も上手く演じ分けておられる本当に愛嬌たっぷりの可愛い女優さんです。

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サメ~愛の黙示録~のネタバレ含む見どころ②ヘウの夫ジュニョンの献身的な愛

イスとヘウの高校時代の先輩でヘウの事が大好きだったジュニョンはやがてヘウと結婚をするのですが、突然自分たちの前に現れた男がイスではないかと不安に怯えます。

やはりイスだったのだと分かった時にも自分の妻を信じようとするのですが、その気持を裏切るように妻がまだ初恋相手のイスの事を忘れられずに密かに会っている事を知り深く傷ついていきます。

嫉妬心を抑えながら、それでも妻を信じたいと涙ぐましい努力をするこのとても難しい役を演じたのは「1%の奇跡」で女性の心を鷲掴みにしたハ・ソクジンさんです。

カヤホテル戦略企画本部長として真面目に生きていた彼は妻への不信感を拭うように仕事に打ち込んでいくのですが、夫にこれ以上嘘をつけないヘウはイスと会っていた事を泣きながら何度も告白をしようとします。

そんな妻の態度にジュニョンはついに苦しい胸の内をぶちまけるように「自分は言えば気が楽になるかもしれないが、見て見ぬふりをしようとしている俺をこれ以上苦しめないでくれ」と言ってしまった時のヘウの固まった姿は忘れられません!

二人のすれ違う気持ちが痛いほど伝わってきて、どちらも可哀想になりました。

ヘウが結婚する前にイスが現れていたらここまでの悲劇は起きなかったのかもしれないと思うとある意味、残念な気持ちにもなります。

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サメ~愛の黙示録~のネタバレ含む見どころ③二人を繋ぐサメのペンダント

「復活」「魔王」で始まる復讐シリーズでしたが最終章のタイトルが「サメ」。

どうしてサメなんだろう?とドラマを見る前からずっと疑問に思っていました。

結論から言うと、サメはイス自身を投影しているのだと思います。

「サメは海の中で一番怖い存在だから誰も好きにならないから可哀想だ。だから自分はそんなサメが好きなんだ」と1話の中でも語っています。

サメは止まると死んでしまう魚です。

広い海を泳ぎ回るので外敵も多く、寝る時は左脳は寝かせているけれど右脳は起きたままなので片方の目だけを開けて寝るそうです。

12年間も誰かを強く憎むという事はものすごく体力も気力もいると思います。

そのため本当に人を信じる事が出来ずいつも世間に刃を向けながらの孤独な生活が続き、その分、敵も多くて一時も気が休まる事はない。

そんなイスの姿がサメのように見えたのかもしれません。

ヘウは最初の頃、イスのために傷だらけになりながらサメを彫ってペンダントにしてプレゼントします。

イスが大切に持っていたそのペンダントは年月が流れてやがてヘウの手に渡り、最後はヘウがそれを海に流してこのドラマは終わります。

サメのペンダントは二人を繋ぐ上でとても重要な役目をしているのですが、ドラマの途中で何度か映し出されるのでチェックしてみて欲しいと思います。

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サメ~愛の黙示録~のあらすじとネタバレ含む感想・見どころは?まとめ

何と言っても一番の魅力は多くの「廃人」を生み出した作家と監督のコンビによって緻密に組み立てられたストーリーを堪能できることではないかと思います。

愛とは何か、復讐という執念がいかに人を変えてしまうのかを目の当たりにして深く考えさせられます。

重い空気が漂う中で、イスの友人役を演じたイ・シオンさんの三枚目の笑える名演技や「逆賊」の中で三代悪女を演じたイ・ハニさんの現代ドラマでの違った魅力を堪能できること、そして途中で登場する沖縄の美しい風景や韓国の美しいロケ地などが気持ちを和ませてくれます。

さらに、このドラマのOSTには「BOA」さんも参加されており、ヒロインの背景にいつも流れる「天国と地獄の間」と言う曲のメロディは本当に物悲しくもあり美しいです。

復讐ドラマが大好きでまだ視聴されていない方には特にオススメの作品だと思います。

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