『トンイ』は2010年に韓国MBCにて放送され、視聴率33.1%にまで達した有名な大ヒット時代劇です。
「宮廷女官チャングムの誓い」のイ監督が、実在する一人の女性の出世物語だけでなく、やがて朝鮮第21代王英祖の母となる淑嬪の厳しくも優しい母の強い愛情も表現しています。
キャストは、数ある時代劇の中で常連とも言えるベテラン陣で固められ、安定の演技力!
MBC演技大賞では、大賞にトンイ役の、ハン・ヒョジュ、男性俳優大賞には王様役のチ・ジニ、女性優秀賞には三代悪女とも呼ばれた女性を演じた、イ・ソヨンが選ばれました。
そんな『トンイ』のあらすじとネタバレ含む感想・見どころをご紹介します。
『トンイ』のあらすじ
検視官を務めながら剣契の頭をしている父と、掌楽院の楽師そして同じく剣契の一員をしている兄と貧しいながらも楽しく暮らしていたトンイ(ハン・ヒョジュ)だが、ある日、あらぬ罪を着せられて大好きな父と兄が殺されてしまう。
悲しみに暮れるトンイは、一時は逃げなければならなかったが、身分を隠し、掌楽院の雑務係として働く事になった。
やがて美しい娘に成長すると、ある人からの推薦で監察府(宮廷の女性たちを取り締まる機関)に抜擢されて活動するようになったのだが、それを機に、父と兄の無実の罪を晴らし、濡れ衣を着せた犯人を探ろうとする。
そんな中、朝鮮第19代王粛宗(チ・ジニ)は民の暮らしを偵察に出かけた時、偶然、トンイに会う。
トンイの飾らない気立ての良さと賢さ、そして可愛さにすっかり魂を抜かれてしまった粛宗はトンイを強く愛するようになり、やがて側室に迎え後に名前も淑嬪(スクピン)となる。
その頃の宮廷では西人派の仁顕王妃(パク・ハソン)と南人派の側室の禧嬪ヒビン(イ・ソヨン)が激しく対立していた。そこに加わった淑嬪スクピン(トンイ)は仁顕王妃を慕うようになり、禧嬪とは敵対関係となる。
聡明で美しい淑嬪(トンイ)は王の寵愛を独占していたので、禧嬪とその親族達から亡き者にしようと幾度も命を狙われるが、本当の兄と慕っているチョンス(ペ・スビン)や捕盗庁の従事官のヨンギ(チョン・ジニョン)らに守られながら生きていく。
敵が多く一時も油断がならない宮廷の中、果たして淑嬪(トンイ)は父と兄を死に追いやった張本人を見つける事が出来たのか?
かつての幼なじみとの再会、親しい人との別れ、そして、粛宗との愛の行方は・・・?
『トンイ』のネタバレ含む感想
『トンイ』は過去何度も再放送があったのに、私はまだちゃんと見た事が無かったのですが、先日『チャンオクチョン』と言うドラマの中に登場していた淑嬪に大変興味を持ったので彼女の一生が描かれてあるこのドラマも是非視聴したいと思いました。
何と言ってもキャストの顔ぶれが豪華で、60話と言う長いお話ですが最後まで全く飽きる事なく没頭してしまい最高に面白かったです!
- トンイが幼い頃の話
- 美しく成長して宮廷に上がってからの波乱万丈な道のり
- それが落ち着くと場面がガラっと変わって、後に21代王英祖となる息子を生んでからの子育ての事
これらの三つの舞台があったように感じましたが、それぞれがテンポ良く楽しめました。
特に禧嬪(ヒビン)が生んだ世子(後の第20代王景宗)と淑嬪(スクピン=トンイ)が生んだクム(後の第21代王英祖)。
この異母兄弟たちの兄弟愛溢れるシーンには本当に泣かされました。
淑嬪(トンイ)は宮廷に入った頃に職場の同僚から俗に言う、新入りに対する特有の虐めを受ける事もありましたが、真っすぐな性格で賢くて、回りの人々に対していつも思いやりを忘れない事から、いつの間にか皆から信頼を得て行く、その様子が自分の事のように嬉しくなりました。
そして驚いたのが、これまでの王宮のしきたりを変えるという大胆な提案をした事!それは禧嬪の息子と自分の息子、どちらの命も守るためだったのですよね
自分さえ良ければ邪魔者は消し去ってしまえばいい!
そんな権威ある者達の風潮の中で、欲の無い淑嬪(トンイ)に対しては最後まで応援する気持ちになりました。
個人的に、キャスト一覧の中に「私はチャンボリ」で熱演したオ・ヨンソさんの名前があったので楽しみにしていたのですが、いつまで経っても登場しないので自然と頭の中から消えていました。
なので、最後の最後での突然のご登場の時には思わず大興奮しました!
仁顕王妃は亡くなり、禧嬪は服毒の刑に処され、国の母としての「中殿」の座が空いてしまったのですが、そこに仁元王妃として美しい姿で現れたのでした!
この王妃が最終的に予想もしない方法で淑嬪(トンイ)の息子を守ってくれたので心から尊敬しました。
そして楽しみにしていた最終回は、粛宗と出会った頃にトンイが王様とも知らずに背中を踏み台にして塀を乗り越えた事があったのですが、それがもう一度、再現される形になっていた事、さすがやってくれるよな~って一本取られた気分です。
途中、陰謀が沸き起こる際どいシーンを何度もハラハラしながら見ていた者にとって、明るい気持ちで見終わる結果となり心から良かった~と思います。
トンイを見終わった後、トンイは実話なのか?実在する人物なのか?ということに興味が沸き、それについてまとめた記事はこちらです。
とても興味深い、謎多き女性です。
『トンイ』のネタバレ含む見どころ①粛宗と淑嬪の熱愛ぶり
このドラマはキャストが本当に最高でした!
第19代王粛宗を演じたのは、チ・ジニさんです。
「チャンオクチョン」で登場する同じ第19代王粛宗は、ユ・アインさんが演じる若くて元気はつらつな強い王様と言うイメージでしたが、このドラマの中では大人のムードたっぷりでイケメンで優しい絵に描いたようなカリスマ的存在。
チ・ジニさんは「チャングムの誓い」の中で、チャングムと想いを寄せ合う武官としても登場しています。
そして、この物語の主人公トンイを演じたのは視聴率40%にまでに達した大ヒットドラマ「華麗なる遺産」での主役、ハン・ヒョジュさんです。
彼女の透明感ある美人で可愛い顔立ちはトンイのイメージにもピッタリ!
ハン・ヒョジュさんはネットでの世論調査で「嫁として連れてきて欲しい女優」第1位にも輝いた事があるそうです。
このコンビの甘~くて可愛い熱愛シーンが流れるたびに何だか肩の力が抜けるような思いがしました。
『トンイ』のネタバレ含む見どころ②女官たちが素敵な人ばかり
女官たちの顔ぶれも個性的で素敵な人ばかりです。
私が特に注目したのは、監察府の女官を演じた、チョン・ユミさんです。
彼女は「イニョプの道」で両班から一夜にして下女に落とされたお嬢様を演じた個性的な美人女優です。
そしてもう一人はチャン尚宮を演じた、キム・ヘソンさんです。
ベテラン女優で「チャングムの誓い」の中でチャングムの亡き母も演じておられます。
美人で優しそうで本当に品があり見ていても頼もしい存在でした。
『トンイ』のネタバレ含む見どころ③淑嬪(トンイ)に関わり深い二人の女性
宮廷で生活する上で特に関わりの深かった二人の女性がいます。
まず一人目は、パク・ハソンさん演じる仁顕王妃で、いつも穏やかな笑顔が印象的です。
自分の事を助けながら慕ってくれる淑嬪(トンイ)に恩を感じ、彼女を強く信頼して最後まで守ろうとします。
そしてもう一人は、朝鮮三代悪女と言われる禧嬪で、イ・ソヨンさんが熱演しています。
彼女は目がとても大きくて現代的な美人女優です。
禧嬪は「チャンオクチョン」の中では優しい女性でとても悪女とは思えませんでしたが、「トンイ」の中では、一筋縄ではいかない怖いもの知らずの悪女として描かれています。
最初の頃、禧嬪は淑嬪(トンイ)に信頼され助けられた事もあるのですが権力に目がくらみ性格も変わってしまったため、結局は淑嬪(トンイ)から嫌われてしまいました。
そんな禧嬪と淑嬪(トンイ)との女の戦いは特に迫力がありました。
『トンイ』のあらすじとネタバレ含む感想・見どころは?まとめ
王室の悲劇を断ち切りましょう!と新風を吹き込んだトンイですが、宮廷の外に出てからは、かつて父親が検視官だった事もあり、彼女も時には外治部弁護士をするなど困った民を助け最後まで回りの人々のために生涯を捧げ逞しく生きました。
アップテンポで飽きる事なく、時代劇が苦手な人でも楽しめる最高傑作ではないかと思います。
また、李氏朝鮮時代の史実に興味がある方々には、トンイの息子の英祖王とその息子や孫たちの事がテーマになっている「イサン」も是非視聴されてみてはいかがでしょうか。