ディア・マイ・フレンズのあらすじとネタバレ含む感想・見どころは?

韓国ドラマ

人生のときめきと哀愁を描いた『ディア・マイ・フレンズ』はケーブルチャンネルtvNの10周年特別企画として作られた作品です。

韓国を代表するベテラン俳優たちが熱演するシニア世代の青春物語で8週連続で同時間帯視聴率1位を独走し、2016年コリアドラマアワード作家賞を受賞しました。

親の人生と子供の人生を同時に見つめ直せるリアリティ溢れるヒューマンドラマでもありアラフォーの独身女性から見た親世代の人生を感動的に描いた作品でもあります。

大ベテラン俳優たちの中でコ・ヒョンジョンやチョ・インソン・イ・グァンスなどの若手俳優の堂々たる演技が物語に華を添えています。

今回はそんな「ディア・マイ・フレンズ」のあらすじとネタバレ含む感想・見どころを紹介したいと思います。

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ディア・マイ・フレンズのあらすじ

アラフォーの独身で売れない作家のワン(コ・ヒョンジョン)は飲食店を切り盛りしている母親ナンヒ(コ・ドゥシム)とナンヒの小学校時代からの友人達から運転手代わりをさせられたり、トラブルが起きると時間を問わず突然呼び出されるなど何かしら都合よく使われていた。

そんなワンはナンヒから自分と同窓生たちの事を本に書いてみないかと言われるが、そんなもの誰が読むんだと聞き流しはしたものの、結局、同窓会に一緒に行く事になった。

定期的に集まるメンバーは、夫に先立たれて一人で大きな屋敷で暮らしているヒジャ(キム・ヘジャ)、ヒジャの友人でいつも亭主関白の夫からこき使われているジョンア(ナ・ムニ)、カフェを経営しながら多くの親戚に囲まれて賑やかに自由気ままな生活をしているチュンナム(ユン・ヨジョン)、ナンヒと犬猿の仲で女優のヨンウォン(パク・ウォンスク)、ワンの祖母のサンプン(キム・ヨンオク)。

他には、ヒジャが初恋の相手だったが妻に先立たれてから一人暮らしの弁護士のソンジェ(チュ・ヒョン)、ジョンアの夫でマンションの警備員をしているソッキュン(シン・グ)。

賑やかに同窓会が行われる中、アメリカから帰って来たヨンウォンが姿を見せたのだが、ナンヒと大喧嘩となり宴会はお開きとなってしまう。

我儘な母親世代の面倒を見る事にストレスを感じているワンの唯一の楽しみは、スロベニア在住で元恋人のヨンハ(チョ・インソン)とビデオチャットでやり取りをし、愚痴などを聞いてもらう事だった。

数年前、ワンがヨンハと別れてしまったのは、ナンヒの「既婚者と障害者との交際を禁じる」という言葉が原因だった…。

何事にも母に逆らえないワンには暗い過去あり、小さい頃、母親から毒の入った飲み物を与えられて死にかけた事があるのだがその時の理由が聞けず心に傷を抱えたまま大人になっていた。

やがて母の同窓生たちと関わるうち、母親が背負っていた苦しみを知り、母の友人たちの生き様を見ているうに、傷を抱えて生きているのは自分だけではない事が分かり、最初は理解できないと異人種のように思っていた彼らが実は人生の大先輩だった事に気づいて感動し、彼ら一人一人を主人公とした小説を書こうと決心する!

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ディア・マイ・フレンズのネタバレ含む感想

年配者ばかりが写っているタイトル画像を見た時は、途中で退屈せずに最後まで見られるだろうかと思いましたが、予想外に1話からアップテンポで面白くて先が気になってサクサクと見終わりました。

「韓国の母」とも言われている名女優さんばかりを集めて、妻として、母として、ひとりの女性として、それぞれの女優さん達の個性が光る名演技には心から魅了されました。

特に大人数で集って喋っている様子は生き生きしてまるで大ベテランの女子会トークのような感じを受けて楽しくなります。

会話の内容は家族の話から始まり、恋の話まで描かれてあるのですが、サスペンスもチラホラと組み込まれ、コミカルなシーンも満載なのでとても見応えがありました。

一見、シニア向けのドラマのような印象を受けるかもしれませんが、それぞれの娘や息子、特にナンヒの娘のワンとワンの元恋人のヨンハのお洒落なカップルの物語が同時進行して華を添えているので若い人が見ても十分面白いだろうなと思います。

年配者たちに振り回されるワンに思わず同情してしまいましたが、その年配者たちからすれば子供たちにも色々と問題があり、両方の目線から語られているところも面白いです。

その中で微笑ましいと思ったのはワンが母の友人の一人と親しく付き合っているところです!

女優をしているヨンウォンと大の仲良しの様子が描かれているシーンが良かったです。

しかし、大好きなヨンウォンがどうして母ナンヒと犬猿の仲なのかが分からなかったワンにしてもそうですが、それぞれの家庭には外からは見えない秘密があって思わず感情移入せずにはいられませんでした。

誰しも年を取っていくのは自然な成り行きで、年齢に応じて身体のあちこちにガタがきたり、精神的に辛くなったり、一人になって余生をどう過ごせばよいのか悩んだり、人によって事情は異なりますが、若い時とは違うその年代の中で経験する事は誰しも初めての事だと思うと不安に感じる事もあるかもしれません。

そんな時、愚痴を言い合ったり、一緒に泣いたり笑ったりしながら何歳になっても青春を忘れず明るく過ごせるかけがえのない友達が周りにいる事は最高の宝物だという事をこのドラマは伝えたかったのではないだろうかと思いました。

短くて見やすいドラマですが見終わった後にずっと記憶に残る、人生のバイブルのような奥深さを感じました。

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ディア・マイ・フレンズのネタバレ含む見どころ①ヒジャの壮絶な人生

ヒジャは家庭が裕福でおっとりした世間知らずの奥様です。

三人の息子がいてその中の二人は海外で暮らしています。

そんなヒジャの夫はある日、押し入れの中で突然死をしていたのですが、自分が押し入れに閉じ込めて餓死をさせたと世間から疑いの目で見られているのではないかと被害妄想をしていました。

最初のほうでは橋の上から身を投げようとした所を危機一髪で救われた事もありました。

妄想癖もあったようで、隣のビルの上から上半身が裸の若い男が決まった時間に私を見ていると言ったり、またある日は電球が突然破裂したりとなかなか謎の多い女性です。

ヒジャはやがて初期の認知症になってしまい、夜な夜な教会まで歩いて懺悔に行ったり、突然姿を消して周りが必死で探すと、赤ちゃんをおんぶしているような恰好で橋の上をふらふらと歩いている所を発見された事もありました。

精神不安定が続いているかと思えば、生活する上での注意点をキッチンに貼ってそれを一日に4回読むと決めているところや、認知症になったら周りの言う事に従うと書いている所など、これだけは迷惑をかけたくないと強く思っているのが分かります。

ヒジャの複雑な心境を演じたキム・ヘジャさんの迫真の演技には本当に感心させられます。

キム・ヘジャさんは「まぶしくて~私たちの輝く時間~」というドラマの中での独特な演技も最高に素晴らしくて一目置いてしまいたくなるほどの名女優さんです。

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ディア・マイ・フレンズのネタバレ含む見どころ②考えさせられる夫婦のあり方

様々な人間模様が丁寧に描かれている中で、ジョンアとソッキュンの夫婦がとても印象に残りました。

ジョンアは時給千円で娘達のところで家事を手伝っていたのですが、娘達も母親の事をとても頼りにしてジョンアもそれが励みになっていました。

ソッキュンは真面目に警備員をして働いていましたが、家庭では典型的な亭主関白でジョンアの事を日々、家政婦のように酷使して我儘放題です。

若い時なら少々の事は我慢できたけれど、自分の身体もしんどいのに我儘がさらにエスカレートする夫についに嫌気がさして耐えきれなくなったジョンアは古い家を購入し黙って出て行ってしまうのです。

最初は妻の行動に激怒し、娘に食事を作って持って来させたりするなど周りに迷惑ばかりかけていたのですが、ふと冷静になったソッキュンは新婚時代に過ごしていた廃屋を訪れて、当時、妻に苦労ばかりさせていた事を思い出し心が痛んでしまいます。

その時の回想シーンが泣けます。

それ以来、心を入れ替えてジョンアに許してもらえるよう彼なりに努力します。

料理にも挑戦し、味噌汁だけは何とか作れるようになりました。

自信がついた味噌汁を持参してジョンアのところへ行き、何とか庭先で昼食を一緒に食べてもらえたのですが、その時の二人の姿にジーンときました。

夫が帰った後、友人に電話したその時の会話の中で「夫が料理を作ってきたけれど、味噌に豆腐だけが浮かんでいたわ!!」とバカにしたように笑うのですが、その時のジョンアの顔は何だかとても嬉しそうでした。

徐々に変わっていくソッキュンの姿とジョンアの心の動きに注目して欲しいと思います。

この時、ジョンアが住み始めた古い家屋も「ザ・韓国」という感じで昔ながらの味わいがあってとても雰囲気がありいい感じです。

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ディア・マイ・フレンズのネタバレ含む見どころ③絵になるカッコいいカップル

ワンはスロベニアに留学していた時に知り合ったヨンハと交際がスタートして幸せいっぱいに過ごす中、ついにプロポーズをしようとしたヨンハからある場所へ呼び出されます。

お互いがその場所へと駆け足で向かっている時、ヨンハの身に災難が降りかかってしまうのですがその時の光景は言葉にもなりません。

幸せ絶頂期から一気に奈落の底へ突き落とされてしまったとはこんな時の事をいうのだろうと思うくらいに二人の運命が変わり、ワンはヨンハを置いて帰国してしまったのですが、それでもお互いに未練を断ち切れず、韓国とスロベニアで遠く離れても友人としてチャットで繋がります。

ワンは友人以上には戻れないとヨンハを忘れるために自分の気持ちを誤魔化して努力をするのですが、運命の歯車がまた動き始めて再びワンとヨンハを近づけるのです。

美しいスロベニアの風景と共に、この二人の恋の行方も最後まで見逃せません。

ワンを演じたコ・ヒョンジョンさんはナチュラルな美人で背も高くてスタイルも抜群で本当にカッコいい女性だと思います。

特にロングジャケットを着て長い髪をかき上げている姿には惚れ惚れしそうです。

ヨンハを演じたチョ・インソンさんも相変わらずキリッとしたイケメンで生き生きと輝いていました。

イ・グァンスさんとチョ・インソンさんの二人は「大丈夫、愛だ」でも共演されています。

「大丈夫、愛だ」と「マイ・ディア・フレンズ」の脚本家が同じ人なので最初のテーマ曲やヒューマンドラマをテーマにしたところなどの共通点を感じます。

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ディア・マイ・フレンズのあらすじとネタバレ含む感想・見どころは?まとめ

登場人物一人一人が皆元気で時にはシニアが集うディスコに出かけてみたり、いくつになっても「女」である事を忘れずに今を一生懸命に生きている姿はまさに「青春」を謳歌しています。

老い先そんなに長くはないと頭のどこかで覚悟をしながも、笑って涙いて感動いっぱいの彼らたちの力強い日常を描いた事で多くの世代が楽しんで見られる明るい作品になっています。

ファッションもそれぞれ役柄で個性を現していて、裕福な奥さまのヒジャはエレガントな服を着こなし、バリバリと店を切り盛りするナンヒはカジュアルスタイル、独身でカフェを経営するチュンナムはナチュラルで少女っぽさを感じるお洒落で可愛らしいスタイル…。

そして、どんな困難な壁にぶち当たっても仲間たちと乗り越えて希望に変え、またそこから新たな一歩を進んで行くそんな大先輩たちの姿が勇気を与えてくれるドラマです。

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