与えられた時間を使う事も出来ず失った女性と、輝かしい時間を無駄にして無気力に生きる男性。
『まぶしくて~私たちの輝く時間~』は、同じ時間の中にいるけれど、お互い異なる時間を生きていく男女の物語です。
キム・ヘジャとハン・ジミンの二人一役も最大の見どころです。
さらに、最も旬な人気俳優、ナム・ジュヒョクの繊細な演技も加わり胸が痛くなるほどリアルで切ないヒューマン・ラブストーリーになっています。
終盤は予想できない衝撃的な事実が発覚し、誰もが一瞬言葉を失ってしまうはずです‥。
今回はそんな韓国ドラマ「まぶしくて」のあらすじとネタバレ含む感想・見どころを紹介したいと思います。
まぶしくてのあらすじ
ヘジャ(ハン・ジミン)は幼い頃、砂浜で砂に半分埋もれた古い腕時計を拾ったのだが、それは時間を巻き戻せる不思議な時計だった。
最初のうちは、「朝もう少し寝るため」、「テストをもう一度受けるため」など、自分の都合がいいように時間を巻き戻して使っていたが、そうする事により人より早く時が流れ、少しづつ老けていく事に気づいたので慌てて封印する。
やがて25歳になったヘジャはアナウンサーを目指すようになる。
しかし、なかなか上手く行かず親友たちに励まされながらもどこか心折れる生活を送っていた。
そんな時、近所に越してきた記者志望のジュナ(ナム・ジュヒョク)と出会う。
ジュナはアル中の父を避けて祖母と暮らしていたが、たびたび家にやって来ては祖母に食べさせてもらった挙句、金の無心をする父親の存在に腹立ちがおさまらなかった。
そのような家庭環境からジュナはどこか人と馴染めず浮いていたのだが、明るいヘジャに出会った事で少しづつ笑顔を取り戻していた。
ヘジャもジュナにだんだん惹かれていくようになる。
そしてこれから楽しい日々が始まると思った矢先、ヘジャの父、テサン(アン・ネサン)が交通事故に遭い死んでしまう。
ショックを受けたヘジャは時計の事を思い出し、父が事故にあう前の時間まで巻き戻すのだが、何度試みても交通事故を防ぐ事が出来ない。
それでも諦めずに頑張ったおかげで数十回目にしてようやく父を助ける事に成功した。
しかし、それが原因でヘジャは翌朝に目覚めると一変に70歳のおばあさんの姿になっていた!
ジュナに会いに行っても、もちろん70歳になったヘジャの事が分からない。
一方、ジュナも初めて心を開く事が出来たヘジャが自分の前から突然消えてしまい途方に暮れていた…。
まぶしくてのネタバレ含む感想
まぶしくて 私たちの輝く時間 <韓国放送版> DVD-BOX [ キム・ヘジャ ]このドラマは全12話で、韓国ドラマにしてはかなり短いですが、長いお話を見たのと同じくらいに色んな要素がギューッと濃縮されていて本当に心を動かされました。
最初に見た時は、時間が戻ってまた元の姿に戻るパターンかな?と軽く考えていたのですが、そんな単純な事ではなく、もっと重要な事実が隠されていました!
それを知った時は、あまりにも衝撃が大き過ぎてすぐには理解できませんでした。まさに私の中では、大どんでん返しです。
時間がかなり経ってから頭の中で整理して何とか自分なりに解釈して落ち着く事が出来ました。
このドラマを観てどう思い理解するのか、是非皆さんに実際に観て、感じてほしいです。
このドラマで特に良かったのは、70歳のヘジャを演じたキム・ヘジャさんです。
撮影の時には77歳だったと知ってビックリしました。
中身は25歳のヘジャを見事に表現して、可愛らしくて面白くて若々しく感じました。
キム・ヘジャさんの上品な容姿や雰囲気はアメリカ合衆国の有名な女優、メリルストリープさんにどこか似ているな~と終始頭から離れませんでした。
いくつになってもチャーミングな女性だと思います。
25歳のヘジャを演じたハン・ジミンさんも元気溌剌で、いつもながらとっても可愛かったです。
途中、銀のボウルに作ったビビンバを美味しそうに食べる姿、お菓子を大胆にパクッと口に入れたり、お店でうどんをすすり焼酎を飲む姿は、食いしん坊の胃をとても刺激されて困りました。
そんな元気印の娘がいきなりお婆さんに変身してしまい、これから先ジュナとの恋は一体どうなってしまうのだろう?とも気がかりでした。
このドラマが他のドラマと違う点は、12話のうち、10話からが本番だと言ってもいいくらい、本当に意外な展開でした。
1話から2話まではジュナに知り合ってこれから楽しい日々が始まると思っていた矢先にヘジャが70歳の老人になってしまうまでの経緯が描かれてあり、ある意味ドタバタで目が離せませんでした。
その後、9話までは家族や友人達とのこと、そして、お年寄りが集う「広報館」と言うところでのどちらかと言えば静かに流れる時間が続きました‥。
そこを越えると一気に空気が慌ただしくなり、またまた目が離せなくなりました。
最後の二話は様子がガラッと変わり、まるで映画を見ているかのように引き込まてしまいましたよ。
そこに映し出されていたヘジャの歩んで来た道程にはとても感慨深いものがありました。
家族愛、友情、そして夫婦の絆、特に親子愛には思わず涙が…。
その親子愛には、ヘジャの父親のテサンが重要な鍵を握っていたのです。
全て見終わった後は本当に素晴らしいドラマだな~と納得しました。
そして、これまで淡々と流れて少々退屈だとさえ感じていた途中のお話の中に、たくさんの伏線が隠されていた事を知り、もう一度、初めから見てそれらを拾い集めたくなったほどです。
人それぞれに色んな人生があり、その中には良くも悪くも一生忘れられない時間があり、その中へ、ヘジャは気が遠くなるほどの長い旅をして来たのかもしれません。
ラストの12話でのことです。
全ての人に平等な時間が与えられている。そこで大事なのは、限られた時間をどう生きるか?
人生は良い事ばかりではないけれど、ほんの一瞬でも輝いていた時間はきっと誰にでもあるはず。それがあるから頑張って生きていられるんだと‥。
だから過去を悔やまず、不安だらけの未来を考えて今を台無しにせず今日を生きてください。
まばゆいほどに、あなたにはその資格があります。
今を生きて欲しい…。
そんなメッセージがラストに流れてとても心を打たれました。
まぶしくてのネタバレ含む見どころ①可哀想なシャネルお婆さん
70歳のヘジャが通っていた「広報館」と言う所は町のお年寄り達に無料でレクリエーションを提供する場でした。しかし、その代わり高額な商品を売りつけたりしています。
広報館はあとから実は「療養型病院」だった事が判明します。
その広報館ではヘジャはたくさんのお年寄りと知り合いになったのですが、その中にシャネルが大好きなお婆さんが居て、その人は途中までとにかく感じが悪かったのですが、ふとしたきっかけからヘジャに心を許して親友になります。
このお婆さんはたった一人の息子に会う事だけを心の支えにしていたのですが、やっと会えた息子に迷惑そうな顔をされ、孫にも会わせてもらえず、自分はお荷物でしかなかったんだと思い知らされ結果的に自ら命を絶ってしまいます。
しかし、そこに至ってしまうまでにジュナやヘジャとの温かいエピソードもあるので注目して欲しいと思います。
まぶしくてのネタバレ含む見どころ②一致団結して仲間たちを救出作戦
世話になった先輩の頼みで仕方なく広報館に勤務していたジュナはその先輩達の悪だくみを知り止めようとしますが、逆に暴力をふるわれて地下に閉じ込められてしまいます。
そればかりか、その先輩は集まって来るお年寄り達に保険をかけていたのですが、ある日ピクニックに連れ出し、バス事故を装って死なせ、保険金を騙し取ろうとします。
それに気づいたヘジャはジュナと仲間たちを救うため、保険をかけていない年寄り達を集めて救出作戦を実行するのですが、その方法と言うのが、老人たちの一見不便に思える部分を必殺技に上手く変えているところがすご過ぎて感心します。
是非、10話の中のこのシーンを楽しみに見て欲しいです。
まぶしくてのネタバレ含む見どころ③ヘジャの兄はとってもひょうきん者
無職でネット配信により小銭稼ぎをしているヘジャの兄、ヨンス(ソン・ホジュン)はイケメンなんですが、かなり抜けていて端々で笑わせてくれて楽しい存在になっています。
ある時はヘジャと友人がレンタカーを借りて旅行に行くのですが、この兄はどうしてもついて行きたくて車のトランクの中にカバンとペットボトルの水を持って隠れ、出発するのを今か今かと楽しみに待つのですが、急なアクシデントが発生して旅行は中止。
しかし、それに気づかずヨンスはトランクの中に隠れたままです。
そうとも知らず、友人が車を店に返しに行ったら、その車はそのままアフリカに売られて海を渡ってしまったと言うオチが待っています。
トランクの中で一日以上過ごしたその時の笑えるエピソードも是非見て欲しいと思います。
まぶしくてのあらすじとネタバレ含む感想・見どころは?まとめ
このドラマは絶対に最後まで見て欲しいです!
人によると「これ本当に面白いの?」「名作なの?」と思ってしまうかもしれません。
そんな時は、時々登場するコメディ要素に笑い、ナム・ジュヒョク君のカッコよさに癒されながら序盤は少々我慢をしてください。
それは後から知る現実と大きな感動に繋がっていく大切な時間となっているのは間違いなく、最後まで見てからこそ、この作品が訴えるメッセージが心に響き大きな感動を受けるはずです。
今、目標を見失い、ただ漠然として日々過ごしている人、何かに思い悩んでいる人、親の介護で日々疲れストレスに押しつぶされそうになっている人。
そんな人には特に是非見て欲しいと思います。