韓国で2017年に放送された『適齢期惑々ロマンス』は最高視聴率36.6%を記録した大ヒットドラマです。
適齢期の一男三女の恋愛物語に家族愛に兄弟愛、そして家族にも言えない秘密を抱える夫婦の過去と現在の様子。
若者や現役でバリバリと働く世代、定年を迎えて倦怠期に差しかかった夫婦、あらゆる年代から共感を得るラブコメディー満載のホームドラマです。
今が旬の豪華な俳優たちが家族の絆を熱演して見終わった後に心温まる心地よい感動を残してくれます。
今回はそんな「適齢期惑々ロマンス」のあらすじとネタバレ含む感想・見どころを紹介したいと思います。
適齢期惑々ロマンスのあらすじ
ピョン家の一家の大黒柱のハンス(キム・ヨンチョル)は妻のヨンシル(キム・ヘスク)とアッパ食堂と言う名の韓国家庭料理を提供する食堂を営みながら、決して裕福ではないけれど幸せに暮らしていた。
この夫婦には個性的で明るくとても親思いの適齢期になる一男三女がいた。
ピョン家の長男のジュニョン(ミン・ジヌン)は公務員になるために勉強をしているがなかなか受からず両親をいつもヤキモキさせている。
長女のヘヨン(イ・ユリ)は飛びぬけて成績が良く、弁護士になってバリバリと活躍中。
二女のミヨン(チョン・ソミン)は芸能事務所のインターンとして就職して正社員になる事を励みに一生懸命に仕事をしている。
そして、三女のラヨン(ファヨン)は地区センターのヨガ講師をしながら気ままに暮らすピョン家の一番の甘えん坊である。
賑やかな一男三女に恵まれたハンスとヨンシルは日々楽しく忙しく暮らしながらも、適齢期の子供たちの将来をいつも気にかけていた。
そんなピョン家の上の階には、ハンスの妻ヨンシルの母マルブン(パク・ヘスク)と弟のヨンシク(イ・ジュニョク)とその妻ボミ(チャン・ソヨン)と弟夫婦の一人息子のミナ(チョン・ジュンウォン)も暮らしていた。
ある日、大家のボクニョ(ソン・オクスク)がとある理由からピョン一家の立ち退きを要求して来たのだが、これに納得のいかない気の強いヨンシルがいつも上から目線で威張っているボクニョに抗議し、これがきっかけで二人は最悪の犬猿の仲となっていく。
大黒柱らしくどっしりと落ち着いたハンスがトラブルが起きると間に入って丸く納めようと努力をしていたのだが、そんなハンスにも大変な事が起きてしまった。
ある日、店に自分の息子だと名乗る青年が突然現れて驚く。
それは俳優をしているジュンヒ(イ・ジュン)という人物だった!
青年から事情を聞いて全てを悟ったハンスはこの事実がすぐには受け止められずに暫くは妻にも言えずに思い悩む日々が続く。
夫のただならぬ異変に気づいた妻はその理由を聞いて夫のハンス以上に驚愕する!!
これが原因で夫婦が35年間誰にも言えずに胸に抱えて生きてきた重大な秘密がまさに発覚しようとしている。
しかも、一緒に暮らしたいと言ってきたジュンヒの希望を叶えて我が家に迎え入れてやる事を許可してくれと必死で頼んでくる夫のあり得ない言葉に妻のヨンシルは困り果ててしまう。
果たして夫婦の秘密とジュンヒとの関係は?
やがて重大な事実を知ってしまった子供たちは許せないほど腹を立てるものの、両親の気持ちや置かれた立場を理解して共に乗り越えていく事が出来るのだろうか…?
適齢期惑々ロマンスのネタバレ含む感想
とても長いホームドラマですが、情が厚い両親を中心として適齢期の4兄妹と周りの人々のリアルな日常が描かれ、笑いあり、涙あり、胸キュンあり、時には腹立たしくなったり、感動したりと、どこの家庭にもありそうな出来事に共感が出来て最後まで楽しかったです。
登場人物が多いので最初は名前と顔を覚えるのに一苦労でしたが、徐々に一家に愛着を感じ始め、遠い親戚のような親近感も覚えました。
子供たち4人のエピソードがそれぞれ丁寧に描かれているので見応えたっぷりです。
前半は長男のジュニョンの事が中心でしたが、やがて長女のヘヨンの事、それから二女のミヨンの事へと移って飽きさせません。
特にミヨンなんですが、かつて高校時代に自分を虐めた同級生が同じ職場の上司だっただけでも嫌な気分なのに、やがて兄の交際相手である事が分かり、自分がマネージャーをしている俳優が実は父親の息子だった事が発覚するなど、その偶然をミヨンがいつ知るだろうかとドキドキしました。
後半はハンスとジュンヒの父子としての関わり方が中心に心厚く描かれていたと言っても過言ではありません。
やがてジュンヒにある疑問が湧いた事により、結果、ハンスの秘密が暴かれてしまう事になるのですが、この時からのジュンヒの言動が腹が立って仕方がなかったです。
ジュンヒは少しも悪くはないのですが、父親を探して会いにこなかったらハンスは苦しむ事はなかったのにと思ってしまいます。
結果的には雨降って地固まるで良かったのではありますが、何度もイライラしてしまいました。
そして、どのキャストも演技が最高に上手くて誰が主役なのか分からなくなるくらいでしたが、特に長女のヘヨンを演じたイ・ユリさんが最高でした。
イ・ユリさんは「凍える華」「私はチャンボリ」「福寿草」など愛憎劇でお馴染みの演技派女優さんですが、今回のようなホームドラマの中の弁護士役もとてもカッコよかったです。
お父さん役のキム・ヨンチョルさんが演じたハンスはいつも冷静でとにかく妻や子供たちの事だけを考えて生涯を捧げているような最高にいいお父さんです。
普段は決して怒らないけれど、本当に怒らせたらとんでもなく怖いだろうな!と思わせるようなオーラを感じましたよ。
韓国ドラマを見ていつも感じるのは立派に成人してからも子供たちは親の前でいつまでも子供のように振る舞ったり、親のほうもまだ未成年者のように干渉してきたりする関係に違和感を持たずにはいられないのですが、このドラマもそんな光景が見られました。
親を敬う意味で朝は基本的に家族が全員そろって席についてから、父親が一言挨拶をして「じゃあ食べよう」と号令をかけてから何品も並んだ豪華なオカズを食べ始めるのですが、その様子を見るだけでも家族の仲の良さの中にちゃんと上下関係があるのも伝わってきます。
そして、問題が起きると母のヨンシルが子供たちに一斉にラインをして、「家族会議」をするから早く帰って来るように伝えるのです。
いくつになっても子供は親を尊重してどこまでも家族の結束が固いなと感じるところは、日本の適度に距離を置いた親子関係とはちょっと違うような気がします。
適齢期惑々ロマンスのネタバレ含む見どころ①子供たちのそれぞれのパートナーが素敵
一男三女はお年頃とあってそれぞれ素敵なパートナーが現れます。
長男のジュニョンの奥さんになるユジュは最初は性格が悪すぎてムカつきますが、後半からまるで別人のようにいい人になります。
ユジュを演じたイ・ミドさんは美人ではないけれどスタイルが抜群です。
長女の弁護士のヘヨンの彼氏は放送会社のプロデューサーのジョンファンです。
二人は相思相愛でジョンファンはすぐにでも結婚をして家庭を築く事しか頭にないのですが、ヘヨンのほうは結婚という形式に縛られたくなかったので対立して一時は別れてしまいます。
しかし、結局、ヘヨンのほうがジョンファンを忘れる事が出来なかったので、一年間「インターン」と言う考え方で籍を入れずに結婚生活をするいわゆる「お試し契約」のような関係になります。
二女のミヨンはジュンヒのマネージャーを命じられたのですが最初は気が合わずに犬猿の仲でしたが、いつの間にかお互いが好きになりラブラブの関係に発展していきます。
このドラマが終わった後、イ・ジュンさんとチョン・ソミンさんは私生活でも本当のカップルになったそうです。
ドラマの中でミヨンがどんどん綺麗になっていった事と、キスシーンの後の最高に幸せな表情は”自然な演技”だったのではと思ってしまいました。
三女のラヨンはヨガ教室の同僚講師からモテモテのいい女で、アン・ヒョソプさんが演じるチョルスと言う少年サッカーコーチと交際がスタートします。
ですが、家柄の違いからチョルスの父親から大反対をされて、途中傷ついたり可哀想な場面もありました。
適齢期惑々ロマンスのネタバレ含む見どころ②ヘヨンの嫁ぎ先でのエピソード
ヘヨンはジョンファンとの結婚を認める条件として義母のボクニョから上と下で住まいを分けながらの同居を提示されました。
結局はその条件を受け入れたヘヨンですが、そこはしっかり者の彼女の事だから「同居生活に関する契約書」のようなものを作成して自分たちのプライバシーを守ろうとします。
その中の一つに義母が2階の部屋に入ってこないように階段を上がったところにドアをつける事でした!
これを知ったボクニョは慌てて反対するのですが、「勝手に入るつもりは無いのならドアを付けても普通は気にしないだろう」と周りから言われたり、飴と鞭を使い分けるかのように要領の良いヘヨンに言葉でも勝てないその様子が可笑しかったです。
ボクニョはあの手この手で、ヘヨンと戦おうとしますが、結局はいつもボロが出てしまうのです。
こうしていつも人を見下して自分勝手で我儘放題の義母をやり込めていつの間にか味方につけてしまったヘヨンはさすがです!
傲慢な妻に愛想をつかした義父のギュテクも「卒婚」をしてマンションを買って愛犬のチコと一緒に自由な余生を過ごしたいと別居を計画しますが、結局は詐欺被害にあいマンションは手に入らず、仕方なく妻の元へ戻って生活するのですが、この夫婦のやり取りも漫画みたいで最高に面白いです
適齢期惑々ロマンスのネタバレ含む見どころ③ヨンシルの母と弟家族
いつも賑やかな大家族のピョン一家ですが、同じ建物の中に住んでいるヨンシルの母親と弟夫婦が時々やって来て食事を一緒にしたりでさらに大人数で賑やかな和気あいあいの食卓風景も見応えがあります。
弟夫婦の一人息子のミナは素直で成績もトップクラスのいい子なんですが、自分たちに貯蓄がないばかりに高い学費が払えなくて希望校を受験させてやれない事を両親はとても情けなく思います。
その様子を見た同居の年老いた母親がクイズ番組に出演して賞金を獲得して孫を高校へ行かせてやろうと張り切ります。
このお婆ちゃん、知識が豊富で次々に正解を出してゆくのです!
しかし、結果は最後の一問だけミスして残念ながら賞金は逃がしてしまいましたが、ピザ屋でバイトをしていた両親が新しいメニューを応募していたのが採用されてお店を開業できる事になり、これでミナに受験させてやれると喜ぶまでのエピソードがほのぼのします。
個人的にはミナの母親のボミ役のチャン・ソヨンさんの癖のある前髪が気になって仕方がなかったです(笑)
脇役のこの愉快な家族の事も楽しみに見て欲しいと思います。
適齢期惑々ロマンスのあらすじとネタバレ含む感想・見どころは?まとめ
色んなドラマでよく見かけるベテラン俳優さん達が出演する中で特に存在感が大きいのは、一家の母親役を演じたキム・ヘスクさんと、長女の結婚相手の母親役を独特な演技で熱演したソン・オクスクさんです。
この二人はかつて日本に韓流ブームをもたらしたドラマ「冬のソナタ」の中でチェ・ジウさんが演じたのユジンの母とペ・ヨンジュンさんが演じたミニョンの母親役をされた方々です。
キム・ヘスクさんは年を重ねてふっくらされましたが品のあるお顔はそのままで特に口元が魅力的だと思います。
ソン・オクスクさんはハッキリした顔立ちで役の関係でいつも本当にお洒落で奇抜な衣装を着てらっしゃるのでそれを見るたけでも目の保養になりました。
長いホームドラマは数多くあり、どれが面白いのか何話か見て見ないと分かりませんが、このドラマはハズレなしで本当にオススメしたいドラマです。