『家族なのにどうして~ボクらの恋日記~』は2014年に韓国で放送が開始されたホームドラマです。
若手とベテランを織り交ぜた豪華キャストで放送スタートから大きな話題を呼び、最高視聴率44・4%を記録して大ヒット作となりました。
いつも一緒に居ることが当たり前になって忘れてしまいがちな家族への感謝の心や周りの人を思いやる気持ちを思い出させてくれる心温まる内容が多くの世代に共感を与えました。
そして、2014年度のKBS演技大賞で8冠を受賞した本当に素晴らしい作品です!
今回はそんな『家族なのにどうして』のあらすじとネタバレ含む感想・見どころを紹介したいと思います。
家族なのにどうして?のあらすじ
家族なのにどうして~ボクらの恋日記~ BOX1 <コンプリート・シンプルDVD-BOX> [ ユ・ドングン ]
田舎町で明るく純粋に育ったソウル(ナム・ジヒョン)は少女時代に偶然命を助けたことのあるダルボン(パク・ヒョンシク)という少年から「12年後、ソウルの南山タワーの前で再会して結婚しよう」と約束された事をずっと覚えており、ついにその日が訪れたと喜びに満ち溢れてワクワクしながら田舎から出て来た。
途中、あることがきっかけでお互いの名前も知らないソウルとダルボンが警察に連行されてしまうのだが、ソウルは彼こそが12年前に結婚の約束をしたダルボンだと知り驚く。
しかし、再会したダルボンはそんな事を約束した覚えもないしあり得ないとソウルを突き放そうとする。
その頃、ダルボンは職探しに苦労していたのだがやっと就職できた先は実はマルチ商法の悪徳会社だった事が分かり、その時に借金を背負わされてしまった。
それを知った人の良いソウルがダルボンの借金を立て替えた事がきっかけでダルボンの家に暫く居候をする事になった。
ダルボンの父のチャ・スンボン(ユ・ドングン)は子供たちが幼い頃に妻に先立たれ、小さな豆腐屋を営みながら男手一つで三人の子供たちを育てあげてきた苦労人である。
そんなスンボンの三姉弟の長女ガンシム(キム・ヒョンジュ)はGKグループのやり手の秘書室長を務めるキャリアウーマン。
長男ガンジェ(ユン・バク)は胃ガン専門の野心溢れるクールなエリート医師。
そして未だに定職につけない二男のダルボン。
さらに同居人としてスンボンの妹のスングム(ヤン・ヒギョン)とその娘のヨンソル(キム・ジョンナン)、ヨンソルの夫でチキン屋を経営しているソ・ジュンペク(ソ君と呼ばれている)(キム・ジョンミン)。
チャ家はこのように大人ばかり7人の大所帯だったがソウルが加わった事により8人となりさらに賑やかになった。
スンボンと一つ違いの妹のスングムがチャ家の子供たちの母親代わりとなり身の回りの事全ての面倒を見ていたのだが、ソウルも家事を手伝うようになる。
はじめはソウルに冷たい態度を取っていたダルボンだが、ソウルの明るく純粋で可愛いところに次第に惹かれていく。
そんな時、ダルボンの幼馴染で犬猫の仲であるウノ(ソ・ガンジュン)が現れてソウルにちょっかいを出すためダルボンはウノにソウルを取られまいと必死になっていくのだが、実はダルボンとウノの間には秘密があり、やがてそれを知ったソウルは大激怒する!
一方スンボンは、小さい頃はとても素直だったのに大人になるとそれぞれが自分の事しか考えず、母親代わりのスングム一家の事も馬鹿にし、勝手な事ばかりする子供たちに腹が立ち、ついにはこれまで育ててきた「養育費の返還を求める」という実の子相手に前代未聞の訴訟を起こす。
父親の予期せぬ行動にビックリした姉兄弟は慌てて止めようとするが、実はこれにはスンボンにとって他に重大な理由があった。
最終的に子供たちに要求した事にはすべて「3か月」という期限を付けたのだが、この「3か月」という期間にはある秘密が隠されていた!
激しい親子バトルが続いていく中、チャ一家は父と子供たちの間の信頼を取り戻し、再び親子が仲良く笑顔で暮らせる日がやってくるのだろうか?
そして、ソウルとダルボンとウノの三角関係の行方は?
家族なのにどうして?のネタバレ含む感想
1話1時間で、79話もある長いヒューマンドラマでしたが、山あり谷ありの内容で、見せ場が次から次へと訪れ飽きる事なく最後まで面白く見ることが出来ました。
誰よりも子供思いの大らかで優しい父親のスンボンと三人の子供たちとの親子関係が変化していく様子が一番の見どころだと思いますが、一人一人の演技力が抜群で濃いキャラ揃いなので見応えもたっぷりでした!
途中からスンボンの子供たちにそれぞれパートナーが現れ、突然、スンボンにも謎の女性が現れるのですが、キム・ソラさん演じる「コさん」と皆から呼ばれるそのカッコ良い美人が父親と子供たちをさりげなく繋いでいくとても頼もしい存在だったような気がします。
長女のガンシムは大手企業で有能な秘書としていつも髪をぴっちりアップして完璧な女性ですが、家ではラフな恰好で家事など全く手伝わずいつもゴロゴロしていて、そのギャップに笑えます。
そのガンシムは最初は水と油のように馴染めなかった職場の上司のキム・サンギョンさん演じるテジュと交際がスタートするのですが、そのやり取りが面白いです。
長男のガンジェも腕の立つスーパー医師ですが、私生活では親に感謝するどころか実家が裕福なら自分は出世が出来たのにと豆腐屋をしている父を恨んでいるくらい冷たい印象をうけました。しかし、やがてその腕を院長に見込まれて院長の娘と結婚した事により、次第に人間らしさを取り戻していく様子にホッとしました。
それは院長の娘の人となりが大きく影響していると思います。
韓国ドラマの中で御令嬢といえば、大抵が我儘で下の者をバカにして性格がとても悪いという印象を持っていましたが、ソン・ダムビさん演じる院長の娘のヒョジンはとっても面白くていい子なんです。
ソン・ダムビさんと言えば「椿の花咲く頃」にも出演されています。
「椿の花咲く頃」では少し影のある役どころを演じていますが、このドラマの中では世間知らずで我儘で気が強いところはありますが、とても素直なんですよね!
夫であるガンジェの事がとにかく大好きで、ガンジェのためなら狭い家で暮らす事も我慢できるし、家族とも仲良く出来て涙もろくて何よりも気取っていないところに好感が持てました。
このドラマの中でヒョジンの存在も本当に大きいと思いますが、実際この役を演じたソン・ダムビさんは一番といってもいいほど良い意味で印象に強く残りました。
特に困った時に「オットケー」(どうしよう~の意味)と言いいながら顔をしかめてバタバタと焦っている姿が私は好きでした。
その夫役のユン・バクさんもいい味を出していて、二人の掛け合いがとても微笑ましいものでした。
ユン・バクさんと言えば、2022年「気象庁の人々」でも、クセのある面白い役を演じています。
是非チェックしてみてくださいね。
本当に揉め事が絶えないチャ一家でしたが、終わりにいくほど父親と子供たちの距離が縮まっていく様子に感動しました。
あれほどお互いの事に無関心だった姉兄弟たちが父親のために一致団結して問題を乗り越えていく姿も応援せずにはいられませんでした。
特に、77話~最終回の79話は力強く描かれ思わず涙がこみ上げてきました。
涙もろい人でしたらバスタオルを準備しておかれたほうがよいかもしれません。
スンボンと子供たち、スンボンの妹家族、ヒョジンの実家の両親など、全ての人々の存在とその後の事が丁寧に最後まで描かれていました。
最初はダルボンが主人公なのかな?と思っていたのですが、途中からは全員の存在感が大き過ぎたので分からなくなりましたが、最後を見るとやはりダルボンが主役だったのかもしれないと思いました。
ダルボンのかっこよさもさることながら、ダルボンの恋敵役ウノを演じたソ・ガンジュンさんも、今やかなりの人気者です。
これで終わりかなという瞬間の演出が最高に感動的でスンボンと息子がお互いに心を通わせる親子愛に胸がジーンとしたのです。
本当に良いドラマでした。
家族なのにどうして?のネタバレ含む見どころ①ガンシムと恋人のテジュのキャラが最高です
ガンシムはGPグループ会長から、常務をしている息子(テジュ)の秘書になって支えてやってくれないかと頼まれて仕方なく引き受けます。
テジュは寂しい幼少期を送ってきたため人と関わる事が大の苦手で、食事も誰かに見られていたら食べられないくらいどこか抜けたかなりの変わり者です。
気が強いガンシムもテジュとはどうも合わず、会えば何かと衝突してしまいます。
しかし、ここはお決まりのコースというのでしょうか?
いつしか二人は惹かれ合って交際がスタートするのですが、高身長でイケメンのテジュが恋愛に関して純情過ぎなところが面白くてその行動には思わず吹き出しそうになります。
特にテジュが顔を傾けて喋る時の特長的な表情を観察して欲しいと思います。
最初はムカつく上司と生意気な部下としてのこの二人の毎回のドタバタ騒動は飽きさせません。
家族なのにどうして?のネタバレ含む見どころ②かつては不良だったヤングムの隠れたあだ名は?
ガンジェの妻ヒョジンの実家の母親ヤングムは大病院の院長婦人として贅沢に暮らし、いつもツンと澄まして下の人を小バカにしたような態度をとる本当にムカつくタイプの人です。
当然、娘の嫁ぎ先の事にまで首をつっこんできて、娘婿のガンジェの将来の財産まで自分の思うようにしてしまおうと企むのですが、ある日、チャ家を訪れた時に、スンボンと親しくしているコさんに姿を見られてしまうのです。
スンボンの支えになりたかったコさんはヤングムをつかまえて、「これ以上余計な事をしたら昔の事をバラしてやる」と脅すのです。
それでも懲りずに後日、チャ家の前に現れたヤングムについに我慢できなくなったコさんは、チャ家の人達がいる前で「パンツのゴム~!!!」とヤングムを大きな声で呼んだのです。
かつて不良だった時代にヤングムは「パンツのゴム」とあだ名をつけられていた様子。
これをきっかけにヤングムは急に人が変わったかのように威張るのをやめて普通の人に戻るのでした。
ヤングムをぎゃふんとやっつけてくれたコさんのカッコよさにはスカッとしました。
このようにコさんとヤングムの関係はこのドラマの程よいアクセントになっていると思います。
家族なのにどうして?のネタバレ含む見どころ③時代劇の中でも活躍している実力派の5人
スンボン役のユ・ドングンさん、ガンシム役のキム・ヒョンジュさん、ダルボン役のパク・ヒョンシクさん、ソウル役のナム・ジヒョンさん、 テジュ役のキム・サンギョンさんは、時代劇にも出演されて素晴らしい演技をされています。
ドングンさんは「明成皇后」の中で野心家ではあるけれど我が子である朝鮮国王を愛する情の深い父親役です。
キム・ヒョンジュさんは「宮廷残酷史」という時代劇の中で、三代悪女も顔負けのとんでもない悪女を演じられています。
そして、パク・ヒョンシクさんは「花郎」に出演されて美しい花郎の一員として魅力的です。
パク・ヒョンシクさんは、時代劇も魅力的だし現代劇ももちろんかっこいいです。
そして、ナム・ジヒョンさんは「100日の郎君様」に出演されています。
キム・サンギョンさんは、ヨ・ジングさん主演の「王になった男」で欠かせない役どころとして出演されています。
ドラマを観ていると、そのかっこよさに見とれてしまいますよ。
現代ドラマと時代劇でそれぞれ印象は違いますがその両方を見てみるのも楽しいと思います。
ちなみに私は「宮廷残酷史」を見た後にこのドラマでキム・ヒョンジュさんを見たのですが、あり得ないくらい意地悪で性格の悪い役柄とは違い、気は強いけれど根は優しいこちらの役柄に触れて何故かホッとしました。
花たちの戦い -宮廷残酷史- DVD-BOX1 [DVD]
放送されたのは「宮廷残酷史」のほうが少し前だったみたいですが、その時代劇より「家族なのにどうして」に出演された時のほうが何倍も綺麗だと思いました。
役柄や衣装にもよるかもしれませんが、この現代ドラマの中でのキム・ヒョンジュさんは隙がないほど整った美人女優だなと感じました。
ナム・ジヒョンさんは時代劇の中では大人びて見えましたが、今回の現代ドラマの中ではそれより数年前とあって、大人っぽいというよりも、ちょっとぶりっこのような喋り方で可愛いらしという印象です。
ナム・ジヒョンさんは現代劇にも沢山出演されています。
子役時代からドラマに出ている韓国ではお馴染みの女優さんです。
家族なのにどうして?のあらすじとネタバレ含む感想・見どころは?まとめ
途中何度か内容的に本当なら見ている側も暗くなるであろう出来事もありますが、コメディ要素も端々に含まれているので安心して見ることが出来るのもこのドラマの良いところです。
登場人物それぞれの気持ちが徐々に変化してやがて家族や親戚の心が一つにまとまっていく過程が様々なエピソードと共に見事に描かれています。
そして何より、お父さん役のユ・ドングンさんから滲み出てくるような哀愁が何とも言えず心に残りました。
長いホームドラマは面白ければサクサクと見てしまいますが、この「家族なのにどうして」も紹介しきれないくらい見どころが盛りだくさんなので安心して最後まで楽しめると思います。