2017年に公開された『The Witch /魔女』は本格的なアクションが話題となった韓国映画です。
ストーリーがとても複雑で、大どんでん返しが含まれているということでも海外から大絶賛された作品で、続編もかなり期待されていました。
監督はパク・フンジョン、ヒロインはこの映画で女優デビューすると共に堂々の初主演のキム・ダミ。
抜群の演技力を認められ、キム・ダミはファンタジア国際映画祭にてみごと主演女優賞を受賞するという功績に輝いています。
さらに第92回アカデミー賞でアジア初の作品賞を受賞した「パラサイト 半地下の家族」のチェ・ウシク他豪華キャストたちが脇を固めました。
今回は「The Witch/魔女」のあらすじとネタバレ含む感想・見どころを紹介したいと思います。
The Witch /魔女のあらすじ
謎に包まれた研究所からある夜、ジャユン(キム・ダミ)という名前の少女が傷だらけになりながら逃走した。
その後、記憶を無くして農場で倒れていたジャユンをその農場の主人が発見する。
ジャユンは、かつて子供を亡くした経験のある優しい夫婦に実の子供として育てられることになる。
それから10年の歳月が流れ高校生になったジャユンは、経営難に陥った農場と認知症を患った養父母が体調を崩してしまう中、家の手伝いをしながら両親を助けようとする。
しかし、ジャユン自身も脳の病を抱え、手術をしなければあと数か月しか生きられないと医師から宣告されてしまう…。
ジャユンには同じ高校に通う、父親が警察官をしている親友ミョンヒ(コ・ミンシ)がいた。
ある時、ミョンヒから自分も協力するからオーディションに応募してみないかと話を持ちかけられる。
両親の力になるため、自分の手術費用のため優勝賞金狙いでオーディションに挑戦する決心をしたジャユン。
持前の才能が開花し、ある日、テレビ出演をするためにミョンヒと共にソウルに向かう電車に乗り込む。
しばらく経った後、まるで遠足にでも行くかのように楽しそうな二人の前に突然現れた一人の見知らぬ若い男性。
男性はジャユンに自分の事を知っているだろうとしつこくからみ始めるがジャユンは全く知らない人物なので困惑するばかり…。
そんなハプニングはあったが何とかソウルに到着したジャユンとミョンヒ。
オーディションにも無事に参加することができたが、そこで両親から「人に決して見せてはいけない」と止められていたあるマジックをテレビで披露してしまう!
ジャユンの前に見知らぬ集団が現れ始めたのは、まさにテレビ出演が終わった頃だった。
謎の集団によりやがてジャユンの養父母まで危険に巻き込まれていく‥
さらに親友のミョンヒも命を奪われそうになった瞬間、ジャユンは突然、覚醒し、豹変する…!!
ジャユンという少女は一体何者なのか?
そして、彼女を追い回す謎の集団の真の目的とは??
The Witch /魔女のネタバレ含む感想
この映画はストーリーが最高に奥深くて、ある意味、度肝を抜かれるほど強烈です!
後半にまさかの大どんでん返しが待っていたなんて、ゾッとしました。
あとから思えば伏線のようなものがあちらこちらに準備されていたんだな~とも思える展開です。
全体的に強弱あるストーリー展開、今までに観たこともない個性的な映画として今でも記憶が消えないほどです。
冒頭からいきなり生々しいシーンが暫く続いたので、正直、観るのを間違えたかなと後悔しました。
かと思えば、そこから暫くはのどかな農場に大きな家、優しい両親との生活…。
ジャユンが友人と楽しそうにオーディションの計画をたてている様子などは、まさにその辺にいる子たちと何ら変わりない青春真っ只中の可愛い女子高生!
そんな姿にホッとしながら穏やかな気持ちで物語の中へと誘い込まれました…。
けれども先で、何かとんでもないことが起きるのは違いないな!という雰囲気も何とな~く不気味に漂っていたと思います。
ある日、ジャユンがオーディションでマジックを披露した日から舞台がガラッと変わってしまうのです。
それは予想をはるかに超え、手に汗握るようなアクションシーンが続きハラハラです。
しかし、そこはまだ序の口で、まさかの大どんでん返しかと悟った瞬間、どういうことなのかとキツネにつままれたような気持ちにも??
そして最後のシーンで疑問がさらに湧いてきました。
まさに続編を予測させるような終わり方だったので気になって仕方がなかったです。
主人公の女の子ジャユンを演じたキム・ダミさんですが、競争率の高いオーディションに見事勝ち抜き、この映画で女優初デビューされたそうです。
その後、「梨泰院クラス」にも出演され、その演技力から韓国のアカデミー賞とも言われる百想芸術対象でも新人賞に輝きました。
初演とは思えないほど演技力が抜群でビックリしました。
そして、見事に騙されました(驚)
パク・フンジョン監督が脚本も担当されたそうなんですが、本当に良く作りこまれたストーリーだと思います。
この監督さんの他の作品にも興味が湧いてくるほどに。
ジャユンの大親友ミョンヒ役を演じたコ・ミンシさんの可愛らしさも最高です!
ジャユンのことが大好きで素直でお人好しなんだろうなと思わせる演技もなかなかです。
「オーディションで優勝したら賞金を半分ちょだいね!」と交渉している時はちゃっかりしてるな~と笑えました。
しかし、まさかの展開で、ジャユンのせいで絶体絶命のピンチに立たされてしまったミョンヒ!
ジャユンの本当の姿を見て一気に引いてしまったようですが、結局は親友を信じて最後まで裏切らなかったところに感激しました。
「パラサイト 半地下の家族」に出演されていたチェ・ウシクさんがジャユンと同じ施設で育った青年として登場されるなど話題性もあったと思います。
最後まで観終わった後、もう一度じっくり観返したくなるほど謎に満ち溢れた映画です。
The Witch /魔女のネタバレ含む見どころ①電車の中でゆで卵を一口で頬張るジャユン
オーディションをどんどん勝ち抜いて、ついにソウルでのテレビ出演が決まったジャユン!
親友のミョンヒといそいそと電車に乗り込みます。
そんな時、とても面倒見の良いミョンヒが「ゆで卵」を袋から取り出します。
「さすが気が利くわね~」と大喜びでゆで卵を丸ごと1個口に頬張る腹ペコのジャユン。
まだ口に入れて間もないのに、さらにもう一個丸ごと口にいれた姿に、どれだけ入るんだ!と思わず釘付け!!
さらにお茶ではなく、サイダーを飲み始めたので、よくシャックリが出ないよな~と思いました。
ゆで卵は美味しいし、「電車=お供はゆで卵」は日本でも昔からの定番だと思いますが、韓国でも同じなのかな~と思ったりしました。
この時のキム・ダミさんの表情がとても可愛かったです!
美味しそうに食べるのでつられて食べたくなります。
そして、見知らぬ男性がジャユンたちの前に不気味に現れたのもこの時…!
色んな意味でこのシーンは良かったです。
The Witch /魔女のネタバレ含む見どころ②養父母は実はジャユンの隠れた狂暴性を知っていた
昔、子供を亡くした農場の夫婦はジャユンを自分たちの本当の子供のように大切に育てます。
特に養母がジャユンを目の中に入れても痛くないくらいに優しく支え、ジャユンもそんな母親を大切にしている姿がジーンときます。
養父とジャユンの父娘関係もとてもフレンドリーに見えるのですが、実はこの夫婦はジャユンが小さい頃からの隠れた狂暴性を知っていました。
それが後半、養父の口から語られて観ている側に分かるのですが、「え~!!実はそんなことをしていたのか?」とビックリします。
秘密が後からどんどん出てきて度肝を抜かれてしまうストーリーですが、この父親の言葉がジャユンの正体を示すとても大きな意味を持っていると思います。
The Witch /魔女のネタバレ含む見どころ③鍵を握る重要人物ドクター・ペクの見た目とのギャップ
チョ・ミンスさんが演じるドクター・ペクという遺伝子研究の科学者がジャユンのすべての出生の秘密を握っている最重要人物!
チョ・ミンスさんは優しそうな顔立ちなので、血生臭いこの映画の舞台とは一見そぐわない気がします。
そんな意味では、キム・ダミさんも可愛い姿からはとても想像できないような激しいアクションと表情を巧に使い分けられています。
普通の人物が実はとんでもない能力を秘めていたんだと思わせるギャップがこの映画をより強烈なインパクトで見応えあるものに仕上げている気がします。
The Witch /魔女のあらすじとネタバレ含む感想・見どころは?まとめ
「The Witch/魔女」の最後のシーンでは新たな人物が登場するなど謎だらけです!
続きが気になって仕方のない終わり方なので思わず続編を期待するようなものになっていました。
この映画が大ヒットしたことを受け、何年間も空いてしまったとはいえ、今年、待望の続編「魔女2」が韓国で公開され、そちらも大変話題になっているようです。
観終わった人の感想によれば、「魔女2」もさらに続きが気になる素晴らしい内容、なおかつアクションもバージョンアップされて相当見応えがあるんだとか…。
魔女シリーズは「3部作」とも噂されているようなので、「The Witch/魔女」はまだプロローグに過ぎないと言われています。
まずは第一作目の「The Witch/魔女」にハマってみてはどうでしょうか?
後半での「大どんでん返し」につながる伏線が隠れているのでじっくり観ながら想像を膨らませてみるのも楽しいと思います。