『ストーブリーグ』はナムグン・ミンさん主演のスポーツドラマで、第56回百想芸術大賞のテレビ部門ドラマ作品賞を受賞したドラマです。
この年の「第56回百想芸術大賞」は、「愛の不時着」や「梨泰院クラス」「椿の花咲く頃」など、人気の作品が多くノミネートされた中の受賞でしたので、大きな話題となりました。
今回はそんな『ストーブリーグ』のあらすじと感想、ネタバレ含んだ見どころをご紹介します。
ストーブリーグ(韓国ドラマ)のあらすじ
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ここ数年の成績が最下位の野球チーム「ドリームズ」は、新人選手にとってドラフト指名をもらうのが億劫になるほどのチーム。
内部派閥も激しく、見に来てくれるファンに格好いい姿を見せることも出来ずに居た。
そんな中、DMを募集することになり新しく就任したのは野球経験ゼロのペク・スンス(ナムグン・ミン)だった。
スンスは、チームを率いては優勝させ、解散させる経歴を持っていたため、ドリームズを解散させようと目論んでいるクォン・ギョンミン常務(オ・ジョンセ)にとってはスンスの就任が好都合であった。
野球経験のある社員が多い中、全くの未経験者であるスンスに対する風当たりは厳しく、初めはスンスのすることに反対するスタッフが多かったが、スンスの論理的な考えは的を得ていて頷かざるを得ない程。
スンスは自身の統計と計画から次々に新しい発想で物事に取り組んでいく。
果たしてドリームズは改革を経て優勝できるのか?
また反対に、ドリームズの解散を計画しているギョンミン常務を阻止できるのか?
ドリームズの存続は?
ストーブリーグ(韓国ドラマ)のネタバレ含む感想
野球を知らない私が見ても楽しめる作品でした!
野球にはあまり興味はなかったのですが、なんと言っても「百想芸術大賞」を受賞したというところで、「間違いない作品」という印象があり、それで見始めましたが、確かに太鼓判を押された作品ということも納得がいきました。
ドリームズは、野球チームとして優勝を狙わなければいけないのに、昔からの内部分裂や、中身の見えない仕事のやり方だったり、見直さないといけないことがたくさんありました。
そこを、ペク・スンス団長が次々に手を付けていくのが、とても気持ちよかったです。
初めは「野球を知らない団長」と、小馬鹿にしてスンスの話を聞かないスタッフたちですが、スンスの膨大な研究の結果に得た理論を聞くと、誰も何も言えなくなるほどでした。
それが面白いのです。
ペク・スンスは、常に落ち着いて、問題があれば解決していきます。
ナムグン・ミンさんは、「キム課長とソ理事」でも同じように問題を解決していく気持ちいいキム課長を演じていますが、今回のスンス団長とキム課長とはキャラが全く違います!
2人とも問題を解決してくれる頼もしい存在ですが、キム課長は少しふざけながらも解決していき、ペク・スンスは物静かに解決していきます。
どちらも同じ人だなんてびっくりするほどですが、どちらのキャラも頼もしくて好きです。
また、ドリームズの従業員たちも、初めはスンスを半信半疑でしたが、頼もしい上司として頼り始めます。特に一番近くにいるイ・セヨンチーム長(パク・ウンビン)と、コネ入社と噂されているハン・ジェヒ(チョ・ビョンギュ)は、スンスをとても信頼しています。
みんなでスンスを助け、次こそはドリームズを優勝へと導こう!と同じ方向を向いて切磋琢磨する姿もとても見ていて気持ちがいいです。
ストーブリーグ(韓国ドラマ)のネタバレ含む見どころ①スンスの巧みなプレゼン
ペク・スンス団長の素晴らしさは上で述べましたが、見どころの一つとして「巧みな交渉術」というのが挙げられると思います。
スンス団長は、入社して早々、ドリームズで11年プレーしてきた国民的選手イム・ドンギュを、他のチームの選手とトレードしようとします。
これにはやはり多くのスタッフが反発するのですが、スンスはスタッフに説明します。
今ドリームズにいる選手はホームランをよく打つかもしれないが、夏に弱いために優勝や最下位が決まった後に活躍する選手である。優勝に掛けているならそんな選手はいらないこと。
また、その選手は威圧的でチーム全体の雰囲気を壊す。そして、そのイム・ドンギュのせいでドリームズへ来るのを嫌がる選手がいること。
これらのことをデータを元に説明すると、スタッフは納得せざるを得ません。
また、ドリームズはギョンミン常務により解散の危機に立たされます。
しかし、スンスは「解散」ではなく「売却」をしろとギョンミン常務にアドバイスし、自分が売却してみせるから、とギョンミン常務を説得してIT企業へドリームズのプレゼンをします。
(結局は、ギョンミン常務も野球が好きで、自分が小さい頃にお父さんとドリームズの観戦に来ていたことは楽しい思い出だったのです)
最初は斜に構えてスンスの話を聞いていた若手社長でしたが、やはり最後にはスンスの話に納得してドリームズの買収を決定します。
やはり、スンスの交渉術は素晴らしいものでした。
ストーブリーグ(韓国ドラマ)のネタバレ含む見どころ②お金のない合宿
合宿の時期は、たいていのチームは筋肉の固まりを防ぐため暖かい場所へ行ってトレーニングします。
ドリームズも、オーストラリアへの合宿を計画し、スタッフ達も意気揚々と準備を進めていたのですが、またもドリームズの邪魔をしたいギョンミン常務がそれを阻止します。
予算がかなりオーバーしており外国へは行けないと言われた団長は、納得がいかないまま急遽、国内へのメニューへと切り替えるんですが、その時のスンス団長の切り替えの速さには脱帽です。
スンス団長は「納得がいかない」けれども、それを静かに処理する(別の方法へとシフトする)のが本当に上手なんです。
普通のメニューでは普段の練習と同じになり合宿の意味がなくなるからと、以前ドリームズにいた寄りすぐりの捕手やサウスポー・チームドクターを口説き合宿への参加を呼びかけて特別感のあるものに仕上げました。
懸念されていた練習試合も、昨年の優勝チームであるセイバースと実施できるよう団長が頼んでいたおかげで、一度はセイバースに勝利するという快挙を成し遂げることが出来、また最終的には、スランプに陥っていたユ・ミノ(チェ・ジョンヒョプ)がスランプから抜け出す大事な一戦となりました。
まさにスンス団長の機転が生んだ、意味のある合宿になりました。
ストーブリーグ(韓国ドラマ)のネタバレ含む見どころ③スンス団長が守った球場
ドリームズの売却に成功したスンス団長は、イ・セヨンチーム長からお礼を言われます。
「私が小さいころから父と通ったドリームズは、この球場にも沢山の思い出がある。そんな場所を団長は守ってくれたんです」と、解散を阻止してドリームズを存続させる方法を模索してくれたスンスに対して深々とお辞儀をします。
その時に、スンスはセヨンに見えないように涙ぐむんです。
これまであまり感情を表に出さなかったスンス団長でしたが、そのセヨンの言葉に対して涙ぐんだ感情とは・・・?
それまでの様々なエピソードを見て分かるのですが、スンスはこれまで、野球が好きな弟、自分の(元)妻、そして生まれるはずだった子供、全て守れなかったと自責の念があったのです。
そんなスンスがここに来て、やっと守ることの出来たもの。それはある人にとってはとても大切な存在であり、それを守れたことにより感謝されたという事実。
それこそが、これまで色んなものを守れずに生きてきたという思いがあったスンスにとっては、涙が出るほどの思いだったのだと思います。
このドラマの最後は、現実的で少しほろ苦い結末にはなっていますが、元気をもらうことができますよ。
個人的には↑この画像が見たくて、この場面をずっと待っていました!
ストーブリーグ(韓国ドラマ)の感想/あらすじとネタバレ含む見どころまとめ
ナムグン・ミンさん初め、パク・ウンビンさん、チョ・ビョンギュさんらドリームズのスタッフたちもとてもいい味を出していました。
また、個人的に嬉しかったのは、ヴィンチェンツォに出ていた事務長がストーブリーグにも熱血漢のスカウトチーム社員役で出ていたのが嬉しかったです。
何か問題が起こる度に、スンス団長の対応にスカッとするドラマ。
百想芸術大賞で作品賞を取ったのもうなずける内容で、野球が分からない方にもおすすめのドラマです。