ユ・スンホの除隊後の復帰作ドラマ『リメンバー』は、スピーディーな展開、愛憎、復讐、ラブロマンスなどの韓国ドラマの王道要素に加え、まるで映画のように重厚感のあるストーリーで第一話から見入ってしまう事間違いなしの法廷ドラマです。
命がけで父親の無実を晴らそうとする弁護士VS金と権力を使い検事や判事までを意のままに操る悪人たちとの戦いは、回を追うごとに目が離せなくなり最終回の視聴率は27.3%にまで達しました!
ユ・スンホとパク・ミニョンとの年の差カップルもとても感じが良くて見応えがあります。
今回はそんな「リメンバー」のあらすじとネタバレ含む感想・見どころを紹介したいと思います。
リメンバーのあらすじ
リメンバー〜記憶の彼方へ〜 DVD-SET1 【DVD】
幼い頃、ジヌ(ユ・スンホ)の一家は不慮の交通事故に巻き込まれてしまい、母親と兄が亡くなってしまう。生き残ったジヌとその父ジョヒョク(チョン・グァンリョル)は、2人手を取り合いささやかだが笑いのある幸せな日々を送っていた。
そんなジヌはある日バスの中で、イナ(パク・ミニョン)にスリと間違われてしまうが、ジヌは『過剰記憶症候群』と言う特殊な能力を持っていたために一度見たものは何枚もの写真として思い出せるため、記憶を遡りスリの本当の犯人を見つけ出す。
これがイナとの後に繋がっていく運命的な出会いとなる。
ある晩、ジヌがチゲを作り大好きな父ジョヒョクの帰りを待つのだが、いつまで経っても帰ってこないため不安ばかりがつのっていく。
明け方になってやっと連絡が取れた父は、職場として働いている別荘の近くの森の中で迷っていると言うため、ジヌは慌ててその場に駆けつけた。
するとジョヒョクの傍にはジヌの友人で女子大学生のジョンア(ハン・ボベ)が変わり果てた姿で横たわっており、暫くして通報を受けた警察が現場に到着し、ジョヒョクは訳が分からないまま容疑者として連行されてしまった。
ジョヒョクは最初は自分は無実だと必死で訴えるものの、少し前からアルツハイマー病を発症していたため、取り調べを受けるうちに自分が本当に殺してしまったのではないかと思ってしまう。
そして記憶が曖昧だったところを利用され、クァク刑事(キム・ヨンウン)に、こめかみに拳銃を押し当てられて「白状をしないと息子を殺す」と脅され無理やり供述をさせられてしまったのだ。
女子大生を殺した真犯人はイログループの御曹司のギュマン(ナムグン・ミン)だったのだが、ギュマンは秘書のスボム(イ・シオン)を現場に呼んで、証拠隠ぺいの後始末をするよう命じ自分は何食わぬ顔をしてその場から立ち去っていた。
息子の不祥事を知ったイログループ会長のギュマンの父親のナム(ハン・ジンヒ)は金と権力を利用し弱い立場のジョヒョクを息子の身代わりに殺人犯に仕立てた。
ジヌは無実の父を救い出そうと、神にもすがる思いでドンホ(パク・ソンウン)という弁護士に父の弁護を頼むのだが、貧乏人を最初は相手にもしなかったドンホだが、ジヌがかつての自分の境遇と似ていた事に気づき同情し、結局弁護を引き受け無実を勝ち取る事を約束する。
しかし、裁判当日、ドンホは父親と慕うヤクザのボスのジュイル(イ・ウォンジョン)からグループの会長の邪魔をしないよう手を引けと抑えられ、ドンホも兄貴分と巨大な勢力の前で成す術もなく、直前でジヌを裏切り反対弁論をせず争わなかったためジョヒョクに死刑判決が下ってしまう。
ドンホの裏切りに絶望したジヌは、もう誰にも頼られないと自らが弁護士になり父に罪を着せた一族の犯行を暴いて、真犯人に罪を償わせ父の無実を証明すると決心する。
こうして、ジヌは特殊な記憶力を利用しながら勉強をし、4年後に見事最年少の弁護士となった。
必死で弁護活動をするジヌだが、拘留中の父ジョヒョクはイログループ会長が刑務所の医務課長を買収しアルツハイマーの進行を遅らせる治療を一切させなかったのが原因でどんどん記憶を無くし、ついにはジヌの事も分からなくなってしまった。
その上、酷い腹痛を起こし助けて欲しいと必死で頼むも無視をされてしまった結果、合併症を引き起こし、死刑囚の汚名を着せられたまま獄中死してしまった。
父が亡きあとも、無罪を証明する事を諦めずに再審請求をするジヌだが、残酷な事に自分も父親と同じアルツハイマー病に犯されてしまう。
あと半年、あるいは一年で全ての記憶を無くしてしまうだろうと医師から宣告されたジヌ。
僅かな時間しか残されていないジヌは記憶が残っているうちに父親の無罪を勝ち取る事が出来るのか?
そして真犯人のギュマンを法廷に立たせて罪を償わせる事が出来るのだろうか?
お互いに想い合うジヌとイナ、二人に待ち受けていた結末は…?
リメンバーのネタバレ含む感想
概要を読んで面白そうだなと見始めたのですが、1話から引き込まれ、回を重ねるごとに先が気になって気になって、約40分が30話もあるこのドラマを自己最高記録とも言える一日半で見終わっていました!
まず、しょっぱなから父親が死刑執行場に連れていかれ、息子に「助けてくれ!」と必死に叫び、抵抗しながら頭に布をかぶせられあわや絞首刑に!と言うところで目が覚める汗ぐっしょりのジヌ演じるユ・スンホさんの姿が強烈でした。
このドラマは犯人が誰なのか早く知りたいのではなく、犯人は早い段階から分かっているけれど、いつ捕まるのか?
それが早く知りたい、早く法廷に立たせて罪を暴いてスッキリしたい!
そんな気持ちが止まらなくなり居ても立っても居られなったのです。
父親の無実を晴らすため記憶力の良さを利用して弁護士になり、どんな困難な壁にぶち当たっても決して諦めないジヌの姿が時に可哀想にもなりました。
裁判途中で突然記憶が曖昧になって倒れこんだりする場面もあったりで、記憶が無くならないうちに父の仇を取って欲しいとハラハラドキドキでした。
ジヌ演じるユ・スンホさんが弁護士として法廷のドアを開けて登場する時の姿が最高にカッコよくて、それに心を打ち抜かれてしまい、すっかり大ファンになってしまいました。
どことなく少年っぽさの残る顔立ちのユ・スンホさんがニコッと笑うとこちらまで幸せな気持ちになります!
それに声が男らしくて素敵で体当たりでの演技が上手いな~とヒシヒシと実感しました。
脇役の方々もとにかく演技力抜群で見応えがありました!
ヤクザ出身の弁護士ドンホは無表情で冷たそうに見えて実は情がある人で、最初はある理由からジヌを裏切って父親を助けてあげられなかった事にずっと心を痛め、結局は最後まで彼なりの方法でジヌを支えてあげていたのがとても心に響きました。
犯人のギュマンはいつもうすら笑いを浮かべて身震いするほどのサイコパスでしたが、それを演じたナムグン・ミンさんのお顔が綺麗なので余計に不気味に感じました。
この方が最終話の中で父親に捨てられた瞬間、薄っすらと涙ぐんだ姿に、一瞬だけ同情しました。
そしてまさかあのような行動を起こすなんて!本当に考えが読めない危険なキャラでした。
ナムグン・ミンさんは、演じる役でガラリと雰囲気が変わるので「ストーブリーグ」や「キム課長とソ理事」でもまたかなり違う役柄を演じておられて面白いですよ!
ギュマンの秘書スボムは普通にいい人だと思うのですがギュマンに逆らえずいつも尻ぬぐいをさせられある意味気の毒な人だと思います。
そのスボム役のイ・シオンさんは「ステキな片想い」というドラマの中でもワンマンな主人公の秘書役でやっぱり苦労させられていました(泣)。
ギュマンにはヨギョンと言う検事になった妹がいるのですが、最悪な父と兄なのによくグレずに真っすぐと育ったなとこれには救われました。
ヨギョンを演じたチョン・ヘソンさんは「雲が描いた月明り」の中でもパク・ボゴムさん演じる世子の妹役をされておられます。
息子が父の仇を打つ事に加えてアルツハイマー病と重いテーマですが、ジヌの事を誰よりも気にかけて最後まで力になるイナをパク・ミニョンさんが演じていた事で華やかさがあってとっても好感が持てました。
彼女は検事だったのに、途中、イログループ派の検事の悪だくみにより検事職を退きますが、今度は弁護士として活躍し、最後にもう一度検事に返り咲いて法廷に立つのですが、その時のパク・ミニョンさんは眩しいほど隙がなくとにかく素敵でした。
ジヌの事務所の弁護士にジェイク(キム・ヒョンボム)と言う人が居たのですが普段はハキハキ喋るのに弁護人席に立つと本人曰く、極度の緊張が原因で、とにかく話か進まないくらいに「どもる」のですが、この頼りない弁護士がいつの間にかしっかりとジヌを支えて行く姿はとても頼もしかったです!
そして、「どもる」癖も完全に治っていったのです。
イログループ会長に甘い汁を吸わせてもらう最低な刑事クァクにも腹が立ってしょうがない程ヤキモキさせられましたが、刑務所に入ってからは本当に心を入れ替えたらしく聖書にすがり最後は完全に洗脳されてしまっていたのが滑稽でした。
このドラマの脚本は本当によく練られていて、ジヌの父親の冤罪を晴らすために検事になったイナにタク検事(ソン・ヨンギュ)と言う素晴らしい上司が居たのですが、この検事がお金に目がくらみ、まさかのイログループ一族の手下になった時は本当にガッカリしましたが、実はイナとジヌが提案した、「潜入捜査」だった事が分かった時は思わず感動のあまり身震いがしました!
なんて奥深いんだろうと一番感動して嬉しかったと言っても過言ではありません。
このように一人一人を語ればきりがないほどに演技派の個性派俳優さんたちが脇を固めていたので余計でも最後まで引き込まれるように一気見してしまいました。
法廷ドラマの中では「君の声が聞こえる」もかなり続きが気になりましたが、それ以上にこのドラマは深く印象に残りました。
リメンバーのネタバレ含む見どころ①とても仲良しで微笑ましい父子
不慮の事故に巻き込まれてしまい生き残った父ジェヒョクと息子ジヌですが、とても仲良しで微笑ましく素敵な親子です。
父が息子の大好物の卵焼きを作ってやり、一緒に「旨いね」と言いながら食べている食卓のシーンはしみじみと心温まります。
これが何度か回想シーンとしても流れるのですが見るたびに親子の絆を感じて胸が傷みました。
ジヌの父親役のベテラン俳優のチョン・グァンリョルさんが誠実そうで優しそうなお顔なので余計に無実の罪を着せられた今回の役柄とかぶり臨場感があります。
父親の温かい愛のおかげでジヌは明るく優しく育ち、父親もジヌが居たからずっと励みに何とか生きてこられたのだと思います。
ジヌが面会に行った時、ジョヒョクが「父さんの黒い革靴を玄関に出して並べておきなさい」とジヌの一人暮らしを心配している所は泣けてきます。
誰も居なくて真っ暗な家にジヌが帰ってくるシーンも泣けます。
この家には父と一緒でなければ帰らない事に決めたんだ!と言った時には本当にそんな日が来るといいなと祈らずにはいられませんでした。
このように父子の強い絆にも注目して見て欲しいと思います。
リメンバーのネタバレ含む見どころ②ジヌの弁護士事務所の隠し部屋
天井が高い弁護士事務所の建物には奥にある本棚を押すと一段下がって広い部屋がありました。
壁一面にはジヌの父の仇のイログループ一族の関係図が作られてそれぞれの人物の名前の上に印がつけてあります。
ここでジヌとイナがそれぞれ色々な思いを巡らせながら過ごしているシーンが時々流れるのですが、まさに「隠し部屋」と言う言葉がピッタリでちょっとワクワクする印象も受けました。
そして、イログループの大きなビルが目の前に見える古い建物をわざわざ選んで事務所にしている所にもジヌの強い覚悟が伺えます。
リメンバーのネタバレ含む見どころ③姿を消したジヌが残したメッセージ
アルツハイマー病でいずれ自分は周りの人の事も分からなくなってしまうからイナをこれ以上巻き込んで迷惑をかけたくないとジヌは誰にも打ち明けず、隠し部屋にイナに宛てたメッセージだけ残して突然姿を消してしまいます。
一年後、イナはある場所を訪れてそこでジヌの姿を見つけるのですが、その時、ジヌはイナを見ても全く覚えていないようでした。
その空間には色んな人のそれぞれの思いが綴られたメッセージが吊るしてある一本の木があるのですが、ジヌが立ち去った後、ジヌのメッセージカードを見つけ、そこに書いてあった言葉に少しだけ顔が緩んだイナの姿にホッとしました。
そして、外に出てジヌの後を距離を置きながゆっくり歩くイナ。
この時に読んだメッセージには思わず心を打たれてしまいます。
このエンディングを楽しみに見て欲しいと思います。
リメンバーのあらすじとネタバレ含む感想・見どころは?まとめ
金と権力のある者が弱い者を虫けら同然に扱っているところに腹が立ってしかたがなかったですが、最後はこれまで敵だった人達がジヌの味方についてくれたおかげで、どんどん悪人たちの化けの皮が剝がされて、全てが終わった時には胸のつかえが下りて安堵しました。
今回、狂ったように感情が抑えられずに平気で人を殺してしまうサイコパスの御曹司の役を演じたナムグン・ミンさんの演技は本当に迫力がありました。
法廷シーンが多いのですが、弁護士と検事との力強い対決も毎回本当に興味深く見る事が出来ました。
このドラマをキャスト全員が全力投球をして最高に見応えある仕上がりにしてくれたような気がします。
そして、ソ・ユンホさんにこれまであまり興味の無かった人も彼の不思議な魅力にいつの間にか引き込まれてしまうのではないでしょうか。
思いっきり刺激のあるドラマを見たい方には特にオススメです!